引っ越し費用は、新生活をはじめるための初期費用としてさけられない出費の1つです。
家具や家電にこまごました生活雑貨…ほかにも用意しなければいけないものがたくさんあります。
でも、できる限り安く済ませたいのが心情ですよね。
この記事では、引っ越し費用を少しでも安くするためにできることについて、ご紹介していきます。
・引っ越し費用を安くするために今すぐできる3つの方法
・費用が安くすむ引っ越しスケジュールとは?
・訪問見積で気にしておきたい5つの重要ポイント
引っ越しを急ぐ人もまだ検討段階の人も、安く引っ越すためにぜひ見ていってくださいね。
引っ越し費用を安くするために今すぐできる3つの方法
引越するなら、まずは引っ越し業者に見積依頼…いえいえ、少し待ってください。
あなたが少しでも安く引っ越したい人であれば、引っ越し業者を呼ぶ前にできることが3つもあるんです。
・インターネットから相見積をして相場を確認
・荷物量の調整
・単身プランが使えるか
この3つのうち2つは、携帯があれば外出先でも可能。残りの1つも、数時間もあればすんじゃいます。
手間暇かけず、ささっと引っ越し費用を安くしちゃいましょう。
インターネットから費用相場を確認しよう
現在、引っ越し業者は全国で3000社以上あると言われています。
その中から自分の引っ越し内容やエリアに対応可能な業者を探すのですが、一社ずつ聞くのでは時間がいくらあっても足りませんよね。
今はPCやスマホから簡単に引っ越しの一括見積ができるサイトが多数あります。
一括見積といっても、見積をお願いした引っ越し業者すべてに返事をする必要はありません。
一括見積の利点は、自分の荷物量と移動距離からおおよその費用相場を把握できるところ。
引っ越し業者側も送った見積にすべて応答があるとは思っていませんから、そこは安心してくださいね。
長距離移動の場合、一定距離ごとに金額が加算される形式をとっている引っ越し業者が多いです。
新居がわかった時点で、先に距離を計算しておくとよいでしょう。
まずは、自分の荷物量と移動距離ではどれくらいかかるのか?を把握することが費用を安くする第一歩につながります。
荷物量を調整しよう
もし、一括見積で確認した相場が予想や予算より高かったら?
次にできることは、自分が持っていきたい荷物量の調整です。
引っ越し費用は、使用トラック×移動距離で金額が決まります。
引越先は決まっていることがほとんどなので、移動距離をそう簡単に変えることはできません。
しかし、荷物量を減らすことでトラックのサイズを1つ下げ、費用を安くすることは十分可能です。
運びたい荷物に減らせる部分がないか、再度見直してみましょう。
荷物量を調整するときに特に気にしたいポイントについて、まとめてみました。
衣類
今の家からまるごと持っていかずに、よく着るものだけ選別しましょう。
季節ごとに上下合わせて10~15着程度まで絞ります。残りの服はフリマアプリに出品したり、実家に送ってもいいですね。
毛玉が浮いたり、色褪せるまで着古した服はスッパリ廃棄してしまいましょう。
冬のコートは1~2枚、冠婚葬祭用のフォーマル着は各1着用意すれば、当面困ることはありません。
服は、引っ越し先で新生活が始まってからも増えていくものです。
新居へ運ぶ分は「少なすぎるかも…?」と感じるくらいでちょうどいいですよ。
本
本好きな人は、新居に持ちこみたい本が山のようにあると思います。私がそうでした。
でも、全部持っていくとそれだけでダンボール箱をかなり消費してしまいますよね。
そこで、新居にもっていく本の量を決めるためのオススメ基準がこちらです。
・本は本棚にはいるだけ(床や棚の上はNG)
・新居の本棚に「3割の空きスペース」がのこるように
新居に用意した本棚の容量を確認し、あわせてダンボールの消費量を把握しましょう。全体のダンボール数を圧迫するようであれば、少しずつ減らしていきます。
新生活で待ちうける新たな本との出会いに期待しつつ、持参する量は抑えめにしておきましょう。
食器
大きさ・形がさまざまな食器は、ダンボールにデッドスペースを生みがちです。梱包紙がかさばることもあり、ダンボールを大量に消費しがちなモノの1つですよね。
お気に入りの食器を新居でも…!という気持ちはとてもよくわかります。
しかし、ワレモノはどれだけ注意しても破損リスクが高いもの。できる限り少なめにしておきましょう。
といっても、新生活にどの食器がいくつ必要なのか?想像しづらいですよね。
そこで、こちらの記事に新生活に最低限必要な食器についてまとめておきました。
自分の生活に最低限必要な量におさえることで、使用するダンボール数を効率よく減らしましょう。
単身プランを使えるか検討してみよう
単身プランとは、専用のカーゴ(側面に高さのある台車)に荷物を詰めこむだけですむ大変お手軽な引っ越しプランです。
ダンボールや大型家具・家電がかなり少なく、トラックに積むほどではないな…という人向けのプランですね。
単身プランは、通常の引っ越しプランと比べてこんな違いがあります。
・指定のカーゴ内なら荷物料に関係なく料金は同じ
・移動距離のみで金額が変動する
・訪問見積不要
・カーゴは同時に複数台利用可能
・会社によってカーゴのサイズはさまざま
・トラックや人員の確保が不要な分かなり低価格
・宅配のように受取日時を指定可能
移動距離と荷物量でトラックのサイズが決まる通常の引っ越しと違い、かなり低価格で依頼することが可能。移動距離が長いほどお得なんですね。
荷物量が少ない人に限りますが、費用をおさえる選択肢の1つとしてしっかり確認しておきましょう。
費用が安くすむ引っ越しスケジュールとは?
引っ越し費用を安くしたいなら、時期の選び方は非常に重要なポイントです。
引っ越しの費用相場は、世間の需要に応じて大きく変わります。
引っ越し業者が確保できるトラックや人員は有限で、需要が高い時期だからといって極端に増やすことができないためです。
もっとも需要の高まる時期の引っ越し費用は、特に何もない時期の2倍になることも。
お得に引っ越すためにも、安い時期の見極め方を覚えておきましょう。
「引っ越しが安い」時期はいつ?
一年のうち、もっともお得に引越できる時期はいつなのでしょうか。
引っ越しには繁忙期・通常期があり、当然引っ越し需要の高い繁忙期の方が料金は高くなります。
少しでも安くしたいなら、引っ越し需要がひと段落着いた時期を狙ってみましょう。
ちなみに、繁忙期の中でも最も費用が高くなる日をご存じでしょうか。引っ越し難民がでるほど需要が殺到し、全国をトラックが駆け回る…そう、3/31です。
社会人の4月付異動、新入学生・新社会人の上京…3/31はもっとも引っ越し需要が高まり、それにあわせて費用も高騰します。
そして、大量のトラックによって多くの渋滞があちこちで…。予定通りに引っ越しがすすみにくいのもこの日です。
特別な理由がない限りは、避けた方が賢明ですね。
では、同じ月ならどの日が安く引っ越せるのでしょうか?
引っ越しが安い日を確認したいなら「引越カレンダー」のチェックは欠かせません。
引越カレンダーとは、日付ごとに各引っ越し業者が設定している料金の目安表です。価格帯や割引率が載せてあり、ほとんどの引越会社が各会社のHPに掲載しています。
「○○会社 お得日カレンダー」や「○○会社 引っ越し カレンダー」で検索するとすぐ出てきますよ。
引っ越し業者によってこまかい割引率に違いはありますが、安い日・高い日の傾向はどこも共通しています。
・高くなりやすい日:月初・月末日、土日祝、大安吉日
・安くなりやすい日:平日、月末日の前日~前々日、仏滅
この中でも、月末日は特に混みやすいです。大手中小関係なく引っ越し需要が多くなるため、費用も自然と高くなっています。
個人的なオススメ引越日は、月末日を除いた月末最終1週間の平日です。特に週の中日の水・木曜日は狙い目ですよ。
月末日を希望する人が多いためか、その数日前は安めに設定している引っ越し業者がよく見られます。
営業さんと話していても「1日ずらしたら安くなりますよ」なんて言われたりしますね。
引っ越しは、搬入後もやること盛りだくさんですから、新しい土地に慣れる意味でも少し早めに入っておいて損はないでしょう。
引っ越しは何時スタートがいいの?
引っ越しは、どの引っ越し業者でも午前に1回・午後に2回、同じトラックと複数名の作業員で回ることがほとんどです。
途中で作業員の増減はありますが、丸一日同じチームで対応してくれるんですね。
引っ越し作業の開始時刻については、日取りとあわせて契約時に決まります。この時間帯も費用を決める一因になるため、決定後は基本変えられません。
では、お得に引越したいならどの時間帯がベストなのでしょうか。
引っ越しの料金は、午前>午後1>午後2>フリーの順で高くなります。一見、料金が最も安いフリー便を選びたくなりますが、安くしてある理由がもちろんあるんです。
そこで、午前便・午後便・フリー便のメリット・デメリットをまとめてみました。
メリット | デメリット |
---|---|
午前便 | |
・開始時刻が早い分、終了も早い ・退去立ち合いなど、搬入後のスケジュールに余裕をもてる | ・3つの時間帯で一番料金が高い ・開始時刻が朝一(8:30~9:30の間)のため、荷造りは前日夜まで |
午後便 | |
・当日の昼まで荷造りや掃除ができる ・午前と比べて料金が安い | ・開始時刻を指定できないので、終了が遅くなる場合もある ・退去立ち合いが別日になる可能性がある |
フリー便 | |
・3つの時間帯の中で料金がもっとも安い | ・引っ越し業者の空き次第なので、前後のスケジュールが立てにくい ・前の作業の進行度によって、予定より大幅に遅れることもしばしば |
午前便は一番料金が高いですが、朝一でスタートできるので終わるのも早いです。引越当日から落ち着いて新居の準備にとりかかりたい人は午前便一択でしょう。
午後便はお昼までゆっくり荷造りできるので、少しでも荷造りの時間がほしいひとにおすすめです。
ただし、午後便は夕方のスタートもありうるので、引越し後のスケジュールに余裕がない人は避けましょう。
もっとも料金が安くすむフリー便は、引越日の空き状況に応じて引っ越す時間帯が決まります。
事前におおまかな時刻の連絡はありますが、他の引越作業の進捗によって時間通りにならないことも多いです。長距離移動が必要な引越には向きません。
「午前になったらラッキー」ぐらいの気持ちでいきましょう。
今の部屋も賃貸であれば、搬入後から退去するまでの時間で「退去立会い」があります。
時間は3~40分程度で、搬出後にスケジュールするのが一番スムーズなため、その時間を希望する人がほとんどです。
したがって、料金の安さからフリー便や午後便を希望する人は、立ち合い日時の調整に注意しましょう。
立会いが後日になると、そのためだけに元の住居へ戻ってくる必要があります。
往復の交通費を考えると、午前を選んだ方が結果的に安く済むかもしれません。
訪問見積で気にしておきたい5つの重要ポイント
引っ越しに伴うすべての費用は、訪問見積で提示された金額に了承し、契約を取り交わすと本決定となります。
当日に荷物がすべて積めなかった場合、追加料金を請求される可能性があります。
よっぽど荷物が少なければ大丈夫ですが、Webだけで見積・契約をすませるのは避けた方が賢明です。
訪問見積を依頼すると、担当の営業さんが荷物の量を見にきます。
その荷物量と引越日・移動距離をあわせて費用の見積がでるんですが…この金額、引っ越し業者さんによってかなり違うんです。
希望日におさえられるトラックや人員の状況が会社によって違うので、一律で費用を出すことが難しいんですね。
したがって訪問見積は1社だけでなく、複数の会社に依頼しましょう。相見積をとって比較することで、費用が安く、より条件の良い会社を選べます。
Webからの一括見積ほど多くの会社に依頼する必要はありませんが、必ず2~3社には依頼しましょう。
時期によりますが、繁忙期のど真ん中でもなければ、値下げ交渉に応じてくれる可能性はそれなりに高いです。
複数社の見積がそろったら、しっかり比較・検討の上で1社を選びます。
その際に、あわせて気にしておきたいポイントをまとめてみました。
引っ越し費用以外に発生するお金
通常の搬入・運搬・搬出に伴う費用以外に、こんなお金もかかることがあります。
・ベッドなどの解体、組み立て費用
・ダンボールの追加費用
・移動に伴う宿泊費(日をまたぐ引越の場合)
・荷物の梱包費(依頼した場合のみ)
家具の解体・組み立てや段ボールの追加分が有料か無料かは、引っ越し業者によって違います。
無料のところを選ぶか、見積時に交渉することで費用を節約することが可能です。
また、移動距離が300km程度なら当日中に移動できますが、それ以上であれば搬入完了までの間に泊まる場所が必要になります。
宿泊費も大きな出費です。引越に何日必要になるか、よく確認しておきましょう。
ダンボールは新品か
ダンボールの枚数は荷物量で決まりますが、このダンボールを新品で用意してくれる会社を優先して選びましょう。
見積時に「中古(リサイクル)のダンボールでいいです」と伝えれば、費用の値下げ交渉は可能かもしれません。
しかし、中古のダンボールには赤の他人の柔軟剤や芳香剤の臭いがきつく残っていたり、マジック跡が多いものがどうしてもあります。衛生面でも実用面でもオススメはできません。
最初から新品ダンボールのみで対応している引っ越し業者もあるので、見積時によく確認しておくと安心ですね。
補償保険の内容は最重要チェックポイント
中小規模の会社と契約するなら、特に注意しておきたいポイントになります。
加入している補償保険の内容は、隅から隅まで把握しておきましょう。企業体力に不安のある中小の場合、補償内容が手厚いとは限らないからです。
運んでもらう家具や家電はけして安いものではありません。
補償範囲や補償上限金額、引越後何日までにこの窓口へ連絡…など疑問点は契約時に必ず解消しておくと安心です。
大手引っ越し業者であれば、ほとんどの会社がグレードの高い保険に加入しているので特に心配いらないでしょう。
営業さんの印象
見積にくる営業さんが無愛想なことはめったにありませんが、笑顔ばかりで重要事項を説明してくれないときは要注意です。
次のうち、営業さんが説明しない、または説明しぶることがあればお断りした方がいいでしょう。
・見積書の内容の詳細(引越資材や作業員の人数など)
・加入している補償保険の説明
・荷物が積みきれなかった時の対応
契約する以上、引っ越し業者側には説明義務があります。
遠慮せず、気になることはしっかり聞いておくことが大切です。
不要品の引取、買取システムがあるか
引っ越しで出た不要品を、引越にあわせて引き取ってくれる引っ越し業者もあります。
2020年9月現在、感染症などの影響による海外取引の減少により、不用品の引取り自体取りやめる会社が増えています。
引っ越し業者に引取りを頼みたい人は、訪問見積前に電話やメールで問い合わせしておくと安心でしょう。
有料か無料か、買取するならどの不要品が対象になるのか、引っ越し業者によって違います。
引き取ってもらうつもりが対象外…ということのないよう、あらかじめ聞いておきましょう。
引取・買取はほとんどの場合、引越日当日に引っ越しの荷物と一緒に引き上げられるので別日の対応は不要です。
交渉時の注意点
訪問見積のとき、誰しもが「値下げ交渉」をすると思います。
営業さんも慣れているので、嫌な顔をせず応じてくれることが多いです。実際に値下げに至るかは別ですが…。
当時の私は安くしてもらうために、それぞれの引っ越しでこんな交渉をしています。
【1回目の引越】大手引越会社
最終決定額:43,200円、引越先:区内 徒歩15分程度
・ダンボールはリサイクルでもOK
・「乗らなさそうな分は自力で運ぶ」と伝え、トラックのサイズを下げてもらった
【2回目の引越】中小引越会社
最終決定額:50,600円、引越先:県内市外 電車で片道1時間
・時間帯の希望を無しに(結果的に午前になった)
・見積1社目だけど、下げてくれるなら今決めますと伝えた
どちらも、最初の見積金額からおよそ1万前後下げてもらうことに成功しました。
具体的な要望を伝えたことで、営業さんも試算しやすかったようです。
2回目で1社目~と言っているのは、後からくる大手引越会社の見積料金が高くなることを予測できたためです。先にしておいた一括見積が役に立っています。
どちらの交渉でも私が大切にしたのは、「笑顔でひかえめに」。
営業さんも人間です。値下げしてほしいあまりに強めの姿勢に出てしまわないよう、気を付けましょう。
まとめ|時間がなくてもお得で安心な引っ越しをしよう
引っ越し費用は多くの要素が組み合わさって金額が決まるため、一概に「〇〇ならいくら」と断言できません。
でもその分安くできる余地もたくさんあるので、ぜひチャンスを逃さずに活用していきたいですね。
「時間がないから…」なんて、あきらめるのはもったいない。
この記事でご紹介した方法を実践し、安くても質の良さを感じられる引っ越しをむかえましょう。