新生活に必要な新居の契約や家具・家電の準備が無事に済んだら、次はいよいよ引っ越しの準備です。
引っ越しは、引っ越し業者へ見積を依頼し、契約することになります。
でも、いざ見積を依頼するための引っ越し業者を調べると、その数の多さに面を食らうのではないでしょうか。
よくCMで見かける大手引越会社からネットでしか見たことのない中小引越会社まで…どこを選べばいいのか迷ってしまいますよね。
そこでこの記事では、次の疑問についてまとめてみました。
・覚えておきたい引っ越しの基礎知識について
・大手引越会社と中小引越会社の違いは?
・単身の人が選ぶべき引っ越し業者のポイント
初めての引っ越しで迷っている人にもわかりやすく解説していきますね。
大手も中小も共通!覚えておきたい引っ越しの基礎知識
引っ越しが決まったとき、最初に誰しも感じる疑問は次の3つかと思います。
・引っ越し費用はどうやって決まるの?
・引っ越しはいつ頃がいいの?
・引っ越しはどのタイミングで依頼すればいい?
この3つの疑問の答えは、実は大手・中小に関係なくどこの引っ越し業者でも共通しているんです。
順番にみていきましょう。
引っ越し費用は距離×トラックの大きさで決まる
引越は、移動距離×使用トラックの大きさで料金が決まります。
例えば単身の引っ越し費用相場はおよそ3~5万ですが、これは次の条件で計算した場合の相場になります。
・2トントラックのショートを利用
・移動距離200kmまで
引越用トラックのサイズは、軽トラから4トントラックまで幅広く用意されています。その中から、単身の荷物量を運ぶときに使うトラックは、次の中から選ぶことがほとんどです。
・軽トラ(約1.5畳)
・2トンショートトラック(約3.5畳)
・2トンロングトラック(約5.0畳)
トラックごとに積める荷物量に大きな差があり、トラックが大きくなるほど基本料金も高くなります。
一般的に単身者でワンルームの荷物量であれば、ショートを利用する可能性がもっとも高いでしょう。
転勤など頻繁に引っ越す単身者であれば、普段から特に荷物を減らしているので軽トラに積めるかもしれません。
ただし、単身者だから大きくても2トンショートにおさまるだろう、という考えはすこし甘いです。
私は2回の引っ越しで、2回とも営業さんに「一人暮らし(単身)の荷物量じゃない」と言われました。用意された段ボールは大20、小20の計40枚です。
こんなに必要か…?と疑問でしたが、実際に荷造りしてみると営業さんの見積が正しいことがよくわかりました。
積めていくとみるみううちにダンボールが減っていきます。終盤では、ダンボール足りなくなるのでは…!?と危機感を感じたほどです。
最終的に38箱におさまりましたが、不要なものをひたすら捨て、積む予定だったものを現地受取にしなければ難しかったです。
実際に荷造りしてみて、段ボールが40枚必要だった理由がわかりました。
・衣類が多い(特に冬物のコートやフォーマル着)
・本、DVDが多い(小ダンボール8箱分)
・食器が多い(梱包材もあるので思ったより箱を使う)
一般的に、一人暮らしの荷物はダンボール10~20箱程度と言われています。
しかし、荷物の多い単身者(特に女性)や1K~1DK住まいの方はショートでは足りない可能性を考慮しておくべきでしょう。
引っ越しの繁忙期・通常期を覚えておこう
引っ越しがスムーズにいきやすいのは、いつ頃の時期なのでしょうか。
それには、引っ越し業者の繁忙時期が大きく関係しています。
引っ越しは、月ごとに通常期・繁忙期におおきく分けることができます。
・通常期:5~2月
・繁忙期:3・4月
繁忙期の3~4月は、会社の人事異動・新大学生や新社会人の上京に伴い、1年でもっとも引っ越し業者が忙しくなる時期です。
どこの引越会社もトラックや作業員をおさえるのに大変ですし、道路も非常に混むので通常期の引っ越しより時間を要します。
また、通常期の中でも、5月のGW・8月のお盆・12月の年末年始も集中しやすいです。長期休暇にあわせて引っ越す人が多いんですね。
繁忙期は引っ越し業者も時間に追われ、対応が雑になる…とまでは言いませんが、余裕がないのは間違いありません。
自分も引っ越し業者も余裕をもって行動したいなら、繁忙期は避けるのが賢明でしょう。
落ち着いて引っ越したいなら、この4つの時期がオススメです。
・5月中旬~7月(繁忙期後~夏休みシーズンを迎える前)
・10月(9月の異動による引っ越しが落ち着いた頃)
・11~12月(年末をのぞく)
・2月(天候や気温の影響で人が動きにくい)
引っ越しは必要に駆られてすることも多いので、大幅な時期の調整は難しいかもしれません。
それでもこのことを覚えておけば、混雑しすぎて引っ越し業者が見つからない「引っ越し難民」を避けるために役立つでしょう。
引っ越しの見積依頼までに3つの準備を済ませよう
引っ越しをするにはまず、引っ越し業者さんへ見積を依頼しなければいけません。それは、どのタイミングで依頼するのがベストなのでしょうか。
実は、引っ越しを依頼するときに必ず終わらせておくべき準備が3つあります。
・引っ越し先(新居)を契約する
・引っ越しで運んでもらう荷物を決める
・引っ越す日時を決める
3つのうち、1つでも決まっていないならまだ見積依頼をしてはいけません。
なぜなら、主にこの3つの要素で引っ越し費用が決まります。
当たり前では…?と思われるかもしれませんが、新居は決めても荷物と日時を決めずに見積依頼してしまう方、結構多いんですよ。
特に、引っ越し希望日時を決めずに見積依頼に呼んでしまうのが一番最悪のパターンです。
引っ越し費用は1日ずれるだけで全く変わります。もっと言うと、同じ日でも何時にスタートするかでも変わるのです。
希望日時をはっきりさせずに引っ越し業者の営業さんを呼んでも、具体的な話を進められずにお帰りいただくことになります。
引っ越し業者さんからの印象ももちろん良くありませんし、何度も来てもらってはお互い手間ですよね。
引っ越しの見積依頼をするなら、必ず3つの準備を終わらせてからにしましょう。
大手と中小の違いって?おすすめ引っ越し業者の見極め方
よくCMを見かける大手引越会社と、Webでよく見かける中小引越会社…2つは何が違って、どちらを選ぶのがよいのでしょうか。
私は2回の引越で、大手と中小をそれぞれ1回ずつ利用しています。その時にわかった大手・中小の違い、実際に利用してみた感想についてまとめました。
大手は費用が高め!充実したサービスを求めるならこちら
大手引っ越し業者は全国に支店や営業所があるので、日本のどこからでも依頼・引越できるのが特長です。
全国を移動できる独自のルートを確立しているため、中継地点での連携も同社内で行われます。荷物の引継ぎによるトラブルの不安がなく、長距離でも安心してお願いしやすいです。移動距離が長いほど、大手にお願いした方が費用面でも作業面でも安心でしょう。
ほかにも、大手ならではのメリットにはこんなのもあります。
・作業員が全員「社員」
・破損があっても間違いなく保証される
・保険に必ず加入している
引っ越し作業に来てくれる作業員さんですが、大手の場合は必ず社員さんが配置されます。引越作業に対してある程度訓練された人が来てくれるので、安心して任せられますね。
また、万が一引越中に破損が起きても、作業員全員が同じ会社に所属しているので、原因の究明・補償についても速やかに対応してもらえます。
引越の補償保険については、訪問見積に来てもらったときに必ず最初に説明を受けるので、よく聞いておきましょう。
大手は手厚い対応や充実した補償を受けられる反面、見積を依頼すると相場より1~2万高い料金を提示されることが多いです。これにはこんな理由があります。
・CMなど宣伝広告費にお金がかけている
・作業員を全員社員で手配するための人件費
企業としての体力があるからこそ、補償保険に加入できる背景もあるため、一概に「費用が高いからぼったくり」とは言えません。
安心して引っ越しをお願いできる要素がたくさんある分、費用が高めなのは仕方のないことと割り切った方がいいでしょう。
中小は費用が安くてあやしい?そんなことはありません
一方、中小引越会社はその地域に密着した会社が多く、対象エリア内であれば費用もおさえられることが多いです。地域密着型(またはエリア特化型)なんですね。
中小引越会社は、総じて大手より費用が安くなる傾向があります。それにはこんな理由が関係しているんです。
・広告宣伝費が安い
・移動地域を限定している
・作業員に派遣やアルバイトも採用している
中小の場合、大手のように民放CMや新聞広告など高額な宣伝費用をかけません。その代わりに、比較的に安価ですむWeb広告や利用者の口コミを中心に企業活動を広めています。
テレビを通さないので全体の知名度は大手に及びませんが、その分費用を安くすることができるのです。
また、移動地域を限定することで引継ぎが不要になり、その引っ越しのためにおさえるトラックや人員が1台分で済みます。
結果的に1度の引っ越しにかかる原価が安くなり、私たちの払う引っ越し費用も安くしてもらえるのです。
自社トラックの台数は限られますので、費用をおさえても少ない台数で数を引き受けられるという企業としての利点もあるんでしょうね。
しかし、費用が安くすむ、というのはけしてメリットだけではありません。
金額に比例するわけではありませんが、引っ越しには「安かろう悪かろう」な面が少なからずあります。
・保険の補償内容が会社によってさまざま
・破損や損傷についてバックレされる可能性がある
引っ越し業者が加入する保険は、当然引っ越し業者が保険料を支払います。
その内容が充実すればするほど保険料も高くなるため、補償内容のグレードを下げざるをえない会社も存在するんです。
中小規模の会社は大手ほど体力がないので、同じように充実した保険を用意できないことはけして珍しくありません。
見積時に、必ず補償保険の内容について説明を求め、理解の上で契約に踏み切りましょう。
アルバイトや日雇い派遣を採用することは、人件費を大幅におさえられる大きなメリットです。しかし、一方でトラブル時にはそのままデメリットになるリスクもはらんでいます。
中小の場合、引越当日にくる作業員の構成が社員1名+アルバイトや日雇い派遣数名であることが多いです。
社員以外は、引っ越しを依頼した私たちとその日だけしか関わらない人員になります。
そんな中、もし運搬中や作業中に破損・損傷が発生し、その場で気づかなかったとしましょう。
後日連絡しても、事実確認できるのは社員1名のみ…他の作業員が原因だとしても確認しようがありません。
たとえ保険で補償してもらえたとしても、あまり気分のいいものではないですよね。
もちろん、トラブルが極端に多いわけではありませんが、費用が安くすむのはメリットばかりではないことを頭にいれておきましょう。
単身者が引っ越し業者をえらぶのに最適な方法とは
ここまで、大手・中小会社の共通事項と違いを解説してきました。では、単身者にあう引っ越し業者は実際どう選べばいいのでしょうか。
引っ越し業者を選ぶときに役立つポイントをまとめました。
まず考慮すべきは移動距離
移動距離が長ければ長いほど、使用するトラックの台数や人員は増えます。
増えた分だけ引っ越し費用も当然高くなりますが、大手の場合はすべて自社内で手配できる分、中小より安くなりやすいです。
1つの目安として、移動距離が200kmを超える場合は大手に、200km未満の場合は中小に重点をおいて調べるのがおすすめです。
見積は複数社に依頼しよう
移動距離から依頼したい引っ越し業者に目星をつけたら、見積依頼をしましょう。ほとんどの場合は訪問見積で荷物量など確認の上、契約に至ります。
この見積依頼は、大手・中小に関係なく必ず複数の会社へかけましょう。
トラックや人員について、会社それぞれにいろんな事情を抱えています。引越内容によっては「うちではなく〇〇さんがいいよ」なんて言われることもあるくらいです。
営業さん何人かとお話しして、費用も含め一番条件の良いところを選ぶのがベストでしょう。
荷物が少ないなら自力で運ぶ選択肢も
大型家具・家電が少なく、ダンボールも10箱程度であれば、自分で運んでしまうのが一番安く済みます。
軽トラは普通免許で運転可能です。軽トラを1台、丸一日借りたとしても1万あればおつりがくるでしょう。
もちろん搬出・搬入をすべて自分でやることになりますし、慣れない引っ越し作業で新居を傷つけてしまうリスクもあります。
梱包資材などもすべて自分で用意しなければいけません。
それでも、引っ越し業者に頼むより圧倒的に安くすませられます。単身で荷物が少ない自覚のある人は検討する価値は十分あると思いますよ。
まとめ|引っ越しは人生の大切なイベントの1つ
今回のまとめです。
・引っ越し費用は移動距離×トラックのサイズ
・引っ越しするなら繁忙期はさけよう
・見積依頼をする前に3つの準備を忘れずに
・長距離移動なら迷わず大手
・同圏内の近距離なら中小
・荷物がすごく少ないなら自力運搬もあり
引っ越しはそれなりにお金もかかるし、自分の大事な荷物を他人にまるっと預けることになる人生の一大イベントです。
だからこそ失敗せずに、終わってみて満足できる引っ越しであってほしいですよね。
この記事を参考に、自分にあった引っ越し業者をぜひ見つけてみてください。