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引っ越し前にすませておきたい!後悔しない家電選びの準備と注意点

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新生活の準備の1つに、家電の購入があります。

冷蔵庫や洗濯機など生活に欠かせない家電はもちろん、掃除機やドライヤーなどこまごました家電も必要です。

新生活の準備や荷造り、日々の仕事や学業で忙しいなか、家具も家電も生活雑貨も用意しないといけないので結構大変ですよね。

家電は値段も高く、そう簡単に返品できません。

家電の寿命は短いもので3年、長ければ10年近くあり、使いはじめたらしばらく買い替えることはないでしょう。まさに「絶対失敗したくない買い物」です。

そこで、この記事では家電の購入で後悔しないための3つの準備について、ご紹介していきます。

・大型家電の購入時期と納品のタイミング

・必要な家電のリストアップ

・大型家電置き場の把握

特に3つ目は確認せずに購入してしまうと、届いてから後悔する可能性「大」です。

家電の買い物で失敗したくない人は、ぜひ目を通していってくださいね。

大型家電の購入時期と納品のタイミング

大きな冷蔵庫のある台所掃除機やトースターなどこまごまとした家電は大丈夫ですが、大型家電を自力で運搬・搬入するのは厳しいです。購入時にお店に配送をお願いするのが一般的でしょう。

大型家電は購入を早まっても損をしますし、遅すぎると生活に支障がでてしまいます。

そこで、大型家電の適切な購入時期と、納品時に引っ越し作業をスムーズにするためのポイントをまとめてみました。

大型家電の購入は1週間前を目安に

大型家電は、未開梱在庫が配送センターにあれば購入から即日~数日以内に発送可能なお店が多いです。

店頭在庫を配送してもらう場合は3日~1週間と日数を要するので、購入前に必ず納品日を確認しておきましょう。

 

また、もし入居日まで1ヶ月以上余裕があるとしても、まだ買わないでいるのがおすすめです。

1ヶ月もあれば後継品がでて、購入しておいた商品の値が下がります。また、保管している間になにが起きないともいえません。

金銭面で損をせず、納品がぎりぎりにならないで済む入居日の数日前~1週間前がおすすめ購入時期と言えるでしょう。

 

1点注意したいのは、エアコンなど季節家電の購入です。

夏場のエアコンは、在庫が確保できても取り付け工事にきてもらえるのが2週間先になることもあります。余裕をもって1~2週間前までに手配を済ませておきましょう。

・通常の大型家電は入居日の数日前~1週間前まで

・季節家電は入居日の1~2週間前まで

納品は同じ日でもタイミングを見て

基本的に、家具は居間や寝室など奥側、家電は台所や浴室など手前側に置くことが多いです。

冷蔵庫など大型家電を先に搬入した場合、ベッドや本棚を搬入するときのルートが狭くなってしまいます。

したがって、スムーズに搬入するために部屋の奥側におくものから届くように手配するのがおすすめです。

 

荷造りした段ボールなど引越の荷物はスペースに余裕のある部屋の奥側に積むことが多いので

引越の荷物 ⇒ 家具 ⇒ 家電

の順に届くようにするとよいでしょう。

気温の高い時期(5~9月)に引っ越す場合は、エアコンの取り付け工事と冷蔵庫の搬入を優先しましょう。

特に夏場は、熱中症や食中毒のリスクがぐっと上がります。

新居の搬入予定時間が午後以降など遅いなら、段ボールと家具の順は逆でも大丈夫です。まだ部屋が広いうちに、家具の組立・設置に取り掛かれますね。

冷蔵庫や洗濯機など大型家電は、もし入居日当日に届かなくてもそこまで支障はありません。

食事は外で済ませればいいですし、洗濯物も初日から回さないと困るほど出ないはずです。

荷開けや家具の設置で初日は手一杯でしょうし、家電の受け入れを無理に初日にする必要はないでしょう。

ただし、何日も外食するのは食費がかさみますし、洗濯物も溜まりますから翌日か翌々日には届くようにしておきたいですね。

・通常の大型家電は入居日~入居日翌々日

・気温の高い時期のエアコンは入居日当日必須

・入居日は引越の荷物⇒家具⇒家電の順がおすすめ

必要な家電をリストアップする

リストアップのためのメモとペン新生活で使いたい家電をリストアップしておきましょう。書き出すことで買い忘れを防止できます。

冷蔵庫など大型家電は大丈夫だと思いますが、掃除機やドライヤーなど細々とした家電は意外と忘れがちです。

夜にお風呂を出て初めてドライヤーがないことに気づいたり…私なんですが(笑)

引っ越し前後はやること盛りだくさんで、「生活を始めてから」なんて思っていると本当にほしいときになくて困ったりします。

入居後2週間以内に使うものを目安に、リストアップしておくのがおすすめです。

新居のアンペア数を確認しておこう

リストアップついでに、一つ大事な確認をしておきましょう。新居の契約アンペア数の話です。

アンペア数とは、その部屋で同時に使用できる電気量の上限を指します。

物件のアンペアブレーカー(分電盤の左側にある上下スイッチ部分)に〇Aとかかれている数字がそれですね。

大抵は数字の記載がありますが、もしなくてもアンペアブレーカーの色でアンペア数は判断できます。

電力会社ごとに色分けされているので、電力会社のHPを確認してみてください。

【例:東京電力の場合】

・赤 → 10A

・ピンク → 15A

・黄 → 20A

・緑 → 30A

・グレー → 40A

・茶 → 50A

・紫 → 60A

契約できるアンペア数の上限は、部屋ごとにあらかじめ設定されています。

たとえば、物件自体は60Aで契約して引き込み、部屋の分電盤(アンペアブレーカー部分)は30Aで設定します。

すると、部屋内で30Aを超える電気量の使用したタイミングでブレーカーが落ち、電気の供給がとまります。

物件と電力会社の間で契約した容量があり、その範囲内のアンペア数を決めて各部屋の分電盤で上限使用量を制限しているんですね。

 

基本的に、一人暮らし向けの賃貸は20~30Aで設定されています。

一人暮らしなら、30Aあれば日常生活に支障がでることはまずないでしょう。20Aだとちょっとギリギリですね。その理由はこの表を見るとわかります。

【代表家電のアンペア数】

電子レンジ:15A

炊飯器:13A

オーブントースター:13A

ドライヤー:12A

電気ケトル:11A

エアコン:7A(起動時10~11A)

こたつ:5A

加湿器:3~5A

洗濯機:3A

テレビ:1~2A

冷蔵庫:1~3A

パソコン:1~3A

照明(LED):0.5A

扇風機:0.3A

20Aだと、ごはんの支度で電子レンジ(14A)を回しながら、お風呂上がりのドライヤー(12A)を使っただけでブレーカーが落ちます。

冬場にこたつ(5A)と加湿器(5A)を使いながら炊飯器(13A)でご飯を炊いても落ちます。結構厳しいですよね。

先ほど書き出した家電リストを見ながら、自分の生活ではどこまで同時使用するか計算してみるといいでしょう。

アンペア数は変えられるの?

では、「生活に不安がある」などの理由で、賃貸のアンペア数を変更することはできるのでしょうか。

答えは「物件の状態や契約容量によっては可能」です。

電気を引き込める量の上限は、物件によって違います。この部分について借りる側が自力で確認して間違いがあるといけませんので、まず大家さんか管理会社に聞いてみましょう。

電柱から物件への引込線は分電盤の内側にしまわれていることが多く、こちらで確認するにはカバーを外す必要があります。

カバーを外すときになにかあると原状回復の対象になるおそれがあるので、直接聞いてしまう方がよいでしょう。

物件自体に引き込んでいるアンペア数が部屋のアンペア数より大きければ、増やす余地があります。

上げたいアンペア数を決めたら、大家さんへ了承をとりましょう。勝手に電力会社を呼んで変えてはだめですよ。

 

なお、築古など物件の状態によっては、部屋のアンペア数がすでに設定可能上限ぴったりのときもあります。この場合は電力会社へ連絡しても上げられません。

もしどうしてもアンペア数をあげたい場合は、電柱から物件へ引き込む幹線の取替など工事一式(8~10万)が必要になります。

経費は当然自分持ちになりますので、よく検討の上で相談しましょう。

 

部屋のアンペア数<物件が引き込むアンペア数で、大家さんにも承諾いただければ、あとは電力会社へ変更をお願いするだけです。

アンペア数の変更は無料でしてもらえます。時間も2~30分程度で終了し、特にこちらですることもないのでご安心ください。

 

ちなみに、アンペア数を変更すると電気代の基本料金も変わります。10A上がるごとに300円程度上がりますね。

10A:286円

15A:429円

20A:572円

30A:858円

40A:1,144円

50A:1,430円

60A:1,716円

自分の電気使用量を想定した上で、節約のために30Aから20Aに下げたい人はその旨を大家さんへ相談するとよいでしょう。下げる場合は工事など必要ありません。

ただし、「1度下げたら1年変更不可」など縛りがある地域もあります。電力会社へ連絡するときに必ず確認しましょう。

アンペア数の変更は、基本的に原状回復の対象になります。

退去時に元に戻すよう言われる可能性がありますので、元に戻す方法とそれにかかる時間などあわせて確認しておくのがおすすめです。

家電を置く空間を把握しておこう

長さを測るメジャー部屋の隅においておけるような小物家電は問題ありませんが、大型家電をおくときは必ず置き場所について調べておきましょう。

まあなんとかなるだろう、と置き場所の確認をせずに買いに走る方がいますが、絶対NGです。

 

一人暮らし向けの賃貸は基本省スペースなので、大型家電の置き場所にあまり余裕のないことが多いです。

同じ容量でもメーカーによってサイズやデザインはさまざまなので、選んだ家電によっては設置できない、あるいは設置しても使えないリスクがあります。

そこで、安心して大型家電を選ぶために、置き場所の確認ポイントをまとめました。

購入前に目を通して、置き場所をきちんと把握したうえで購入に踏み切りましょう。

冷蔵庫置き場をみてみよう

まず、冷蔵庫を置く場所を決めましょう。ほとんどの賃貸ではキッチンシンクの横にアース接続可能なコンセントが用意されています。

アース線とは、水回りの電化製品が劣化や故障により漏電を起こしていたときのための安全対策です。

劣化や故障はすぐ目に見えるわけではないので、漏電に気づかず本体に触れて感電するおそれがあります。

アース線を取り付けておけば、万が一漏電している箇所に触れても、アース線へ電流を逃がすことで被害の軽減につなげられるのです。

 

基本、賃貸物件でも水回り付近のコンセントにはアース線取付口がついていますが、もし見当たらなければ大家さんへ必ず相談しましょう。

次に、冷蔵庫をおくスペースを測ります。キッチンシンクと壁に挟まれておくことが多いので、次のように測るといいでしょう。

・キッチンシンクから壁までの横幅

・キッチンシンクと同じ奥行+5cm

・床から天井までの高さ

スペースが測れたら、そこにおくことができる最大サイズを確認しましょう。

「今測ったスペースそのままじゃだめなの?」と思われるかもしれませんが、絶対にいけません。

冷蔵庫の設置で一番注意が必要なのは「放熱スペースの確保」だからです。

 

冷蔵庫は、中を冷やしたことによって生じる熱を外に放出します。側面が特に顕著で、触るとはっきり熱を感じられるほど熱くなります。

放熱スペースを確保しないと冷蔵庫が冷えにくく、電気代も想定より多くかかるため、効率的な使用ができません。

側面・上部については、できるかぎり離して設置できるのが望ましいでしょう。

以前は、冷蔵庫背面からの放熱で、壁紙が黒ずんでしまうケースが多くみられました。いわゆる冷蔵庫による「電気焼け」です。

基本的に日常生活に伴うものと判断されるので原状回復の対象外ですが、「念のため壁から10cm以上離す」ことが推奨されていました。

 

現在販売されている冷蔵庫は背面から放熱せずに、側面や上部から熱を逃がすタイプが主流になっています。

新しい冷蔵庫であれば背面の電気焼けリスクはほぼないので、スペースの節約も兼ねて壁に近づけて設置しても大丈夫でしょう。

先ほど測ったスペースから最低限これだけ余裕をもてる冷蔵庫が、購入できる最大サイズになります。

【冷蔵庫本体と壁の間にほしい空間】

天面(冷蔵庫の天井):5cm以上

側面:左右ともに5mm以上

背面:3cm以上

側面は、必ず左右両方5mm以上の空きをつくりましょう。シンク横にぴったりつけてはいけません。実際に使いはじめるとわかりますが、冷蔵庫の側面は想像以上に放熱します。

密接させてしまうと、その熱が冷蔵庫からうまく逃げられず、庫内を冷やすのに余計に電気代がかかってしまいます。

 

また、冷蔵庫の扉には片開き・両開き・観音開き(フレンチドア)があります。

片開きの場合は、開く方側にさらに+10cm余裕があると扉の開閉がスムーズになることを考慮するとよいでしょう。

 

天面については上部からの熱をにがすので、天井やキッチン収納の底面との間に空間が必要です。冷蔵庫自体の高さが150cm程度までなら、どこの部屋でもおけるはずです。

 

背面の電気焼けリスクはほぼなくなりましたが、あまりぴったり設置しすぎると風通しが悪くなります。湿気やカビ防止に3cm程度離しておくと安心です。

 

購入できる最大サイズ内で冷蔵庫を探せば、届いたのに設置できない事故はまず起こりません。

後悔しないためにも、忘れずに測っておきましょう。

洗濯機置き場をみてみよう

どの機種や環境にも共通する注意点は、床から蛇口(給水口、水栓ともいう)の高さによって置ける洗濯機のサイズが決まるところです。

洗濯機の天面(縦型であれば蓋の奥にある給水口)の位置が蛇口より高いと、その分設置できるスペースが狭くなり、用意した洗濯機がおけない可能性があります。

特にドラム型洗濯機は商品ページに必ず「設置には床から蛇口まで〇cm必要」と記載があるので、見逃さないようにしましょう。

メーカーや製品によって寸法がちがうので、床から蛇口までの高さを確認してから購入する洗濯機を決めるのがおすすめです。

共通の注意点以外に「洗濯機置き場が室内か室外か」で、それぞれ購入前に確認しておいた方がよい点をまとめました。

室内洗濯機置き場の場合

賃貸物件の室内洗濯機置き場は、たいてい防水パンによって設置スペースが確保されています。

防水パンとは、内寸が54~75cmで排水溝がついている正方形や長方形のお皿です。

こんな役割をもっています。

・洗濯機を使ったときにこぼれたり飛び散る水を受け止める

・洗濯機にたまった水を排水口から流す

防水パンは規格で大きさが決まっているので、設置されているのは次の3種類のどれかです。

・幅64cm×奥行64cm

・幅74cm×奥行64cm

・幅80cm×奥行64cm

足部分が54cm四方におさまる洗濯機であれば、基本どの製品でも大丈夫でしょう。

 

また、洗濯機を選ぶときは、ほかにもこんな点を注意しておきたいです。

・排水ホースをうまくつなげられるか

洗濯水を排水するために、洗濯機の下部、左右のどちらかの側面から排水ホースがでています。そのホースが防水パンにある排水口へつながらないと排水することができません。

排水口が左右や後ろによっている場合は特に問題なくつなげられるでしょう。

しかし、排水口が防水パンの真ん中にあったり、手前側にある場合は排水ホースを洗濯機の下に通してつなげる必要があります。

この場合、洗濯機の足だけではホースを通す高さが足りないことも多いです。

防水パンの四隅に元から高さを設けているタイプもありますが、なければかさ上げ台を購入して設置しましょう。

室外洗濯機置き場の場合

ベランダや玄関付近など室外に設置する場合、水がこぼれても大丈夫なので防水パンは不要です。できるだけ平坦で安定している場所におくのが推奨されます。

蛇口(給水口)の高さ-10cmが設置できる洗濯機の最大サイズです。もし、排水ホースの設置にともないかさ上げ台など使用する場合は、蛇口までの高さに注意しましょう。

どうしても本体が蛇口にぶつかってしまうようなら、こういう商品もあります。

蛇口そのものを取り換えることになるので、先に大家さんへ確認をとっておきましょう。

搬入口は大丈夫?

大型家電すべてに言えることですが、家電本体の幅と搬入経路・搬入口に余裕がないと搬入できません。

当たり前ですが、大型家電は人の手で運ばれます。ドアや階段を通るときに人が支えられるだけの余裕がないと運べないのです。

搬入には、最低でも本体+10cm以上の余裕が必要になることを覚えておきましょう。

 

また、もし搬入が難しかった場合、ほとんどのお店では(開梱前にかぎり)返品・交換に応じてくれます。

置く場所は大丈夫だけど入り口から入れられない…という事故は思いのほか起きるので、お店側もそのリスクは承知の上です。

しかし、当日中の交換や再配達はもちろん無理ですし、また探しなおす手間や時間が必要になります。配送してくれた作業員さんにも申し訳ないです。

きちんと事前に確認すれば防げることなので、大型家電を購入する前にドアや経路の幅を必ず測っておきましょう。

 

まとめ|取り返しのつかない買い物は慎重に

慎重に岩陰から顔を出すリス引っ越し前の慌ただしさに流されて、なんとなくで決めてしまいたくなる気持ちはとてもわかります。

でも、家電はいろんな面で「大きな」買い物です。買い物の失敗のほとんどは、事前にきちんと準備しておけば防げます。

「急がばまわれ」をこころに、準備を怠らないようにしましょう。