日々に癒しをもたらしてくれるペットの存在。しかし、実家ぐらしより色々と制限の多い一人暮らしでも、不安少なく飼えるペットはいるのでしょうか。
この記事では、一人暮らし生活と相性の良いペットや逆にさけるべきペットについて、ご紹介していきます。
・一人暮らしと相性の良いオススメペット5選
・ペット可賃貸でもNG?一人暮らしで避けるべきペットとは
初めてペットとの「二人暮らし」を考えている人は、是非読んでみてくださいね。
一人暮らしと相性の良いオススメペット5選
実家ぐらしと違い、一人暮らしでペットを飼うには次の3つをクリアしていることが最低条件になります。
- 基本室内飼い
- 飼育スペースがコンパクト
- ペット可賃貸物件で許可されやすい
この条件をクリアしたなかでも、特に一人暮らしと相性の良い5つのペットをまとめてみました。
飼育のポイントや注意点も、あわせて解説しています。順番にみていきましょう。
猫
その愛らしさから絶大な人気を誇る「猫」。実は、猫の習性が意外と一人暮らしの生活に向いていることはご存じでしょうか。
一人暮らしに猫がオススメな理由
- 部屋が狭くても運動不足になりにくい
- 体が小さいので足音が響きにくい
- 2日程度なら留守番可能
猫は、横よりも縦の移動を好む動物です。
そのため、キャットタワーや収納上など上下に移動しやすい導線を作ると喜んで走り回ってくれます。体が小さく軽いので、高い場所からの着地音もそれほど大きく響きません。
一人暮らし向け物件は、お世辞にも広くないもの。部屋が狭くても運動不足を防ぎ、健康を保ちやすい猫は一人暮らし向きなペットというわけです。
また、猫はエサや水、トイレや室温環境をしっかり整えてあげれば2日程度のお留守番は可能。一人暮らしで泊りがけの仕事や出張があっても、安心して出かけられます。
飼い主がいない寂しさから鳴き続けたり、いたずらで家を壊してしまったりする猫もいます。
意図せぬ状況を防ぐためには、数時間から半日~1日と少しずつ飼い主のいない状況に慣らしてあげることが大切です。
二頭飼いすることで寂しさをまぎらわせてあげるのも効果的ですね(ただし、ケージやトイレの場所は複数必要)
注意点は、他のペットより費用が比較的高めなこと。
猫は購入費用が高く、ワクチンや避妊・去勢費用、エサやトイレのほかに住居の壁や床を保護するグッズも必要です。
室内飼いで15年前後は生きると言われていますから、費用面の見通しがたってから飼うことをオススメします。
小鳥
カラフルな見た目と愛らしい声やしぐさが魅力の「鳥類」。その中でも、サイズも飼育スペースも小さめな小鳥は、一人暮らしの生活にあったペットといえるでしょう。
一人暮らしに小鳥がオススメな理由
- 犬や猫がだめな賃貸でもOKなことが多い
- 他の動物より飼育に広い場所が必要ない
- 壁や床そのものを破損する可能性は低い
小鳥など成長後も個体が小さいままの動物は、大家さんによってはペット不可物件でも飼育許可をもらえることがあります。その理由は「物件へ与える影響が少ない」ため。
犬や猫と違い、小鳥は壁や床そのものをかじったり、爪とぎで破損させる心配がありません。
もちろん無断飼育は論外ですが、近隣住民へ迷惑をかけにくい小鳥は大家さんにとっても受け入れるハードルが低めなんですね。
壁や床自体を破損しなくとも、壁紙を剥がす程度のいたずらをしてしまう子はいます。
部屋全体を保護する必要はありませんが、よく遊ぶスペースだけ保護シートなど使用すると安心です。
トイレもフンだけで臭いも少なく、床や壁に付着しても水やアルコールで拭きとれば問題なし。
飼育スペースも一人暮らし向け物件の広さで十分ですから、二重の意味で一人暮らしに向いているペットといえるでしょう。
注意点は、鳥類特有の臭いと鳴き声対策が必須なこと。
一人暮らしに多い賃貸物件は部屋自体が狭く、集合住宅ゆえの気密性の高さに元々臭いがこもりやすい環境です。
濡れたエサや食べかす、フンなど飛び散ったままにしておくと、部屋中に異臭がただよう原因に…。
室内は常に清潔さをこころがけ、室温や湿度の調整も含め衛生面を保つようにすれば臭いは残りにくくなるでしょう。
また、どれだけ声が控えめな鳥でも鳴き声対策は必ず行いましょう。
ケージに防音カバーをかぶせてみたり、ケージ布巾の壁には防音や遮音効果の高いシートを貼っても効果的です。
なお、小鳥と一言にいっても、種類や性別、個体によって鳴き声の大きさや頻度・特徴が全然違います。
ペットショップで実際に鳴き声を確認し、自力で対策可能か判断の上でお迎えしましょう。
鳴き声が大人しめな小鳥まとめ
- セキセイインコ
- サザナミインコ
- アキクサインコ
- 文鳥
- キンカチョウ
- ジュウシマツ etc
うさぎ
その大人しさや愛くるしさ、飼育スペースのコンパクトさから人気な「うさぎ」も一人暮らしに向いているペットです。
一人暮らしにうさぎがオススメな理由
- ケージ+1時間お散歩できる環境があればOK
- あまり鳴かないので騒音の心配はない
- 薄明薄暮性なので日中はお留守番できる子が多い
うさぎは、1日1時間程度部屋を散歩できれば十分な動物です。飼育スペースの狭さがストレスになりにくいため、一人暮らし向け物件の広さでも問題なく飼うことができます。
鳴き声はほぼなく、移動時の足音も控えめなことから階下への影響はかなり低いと考えられるでしょう。
また、うさぎは飼い主が不在にしがちな日中は眠っていることの多い薄明薄暮性です。薄明薄暮性とは明け方と夕方は活動し、日中や夜間は休む生活パターンのこと。
朝や夕方の散歩タイム以外はケージでOKなので、不在時に近隣住民へ迷惑をかける心配もないんです。
もちろん全ての個体が明確に薄明薄暮性のサイクルで活動するわけではありません。実際に飼ったら、しばらく様子をみてあげましょう。
注意点は、環境の変化にすこぶる弱いこと。
うさぎは非常に警戒心が強く、環境の変化がストレスにつながりやすい動物です。ストレスは普段しない行動や体調不良に直結し、結果的にケガや病気を招きます。
うさぎが安心できる環境づくり
- 室温や湿度を一定に保つ
- エサはできる限り同じ時間に
- 大きな音をださない
- ケージや室内の清潔さを保つ
- 室内の模様替えは最小限に
- 香水や柔軟剤、芳香剤の使用は厳禁
嗅覚や聴覚を刺激しないように、ストレスのない環境を維持してあげることが大切ですね。
ハムスター
手のひらにおさまる小さなフォルムに愛らしいしぐさ…種類も豊富な「ハムスター」は色んな面で一人暮らしに向いています。
一人暮らしにハムスターがオススメな理由
- 基本ケージ分のスペースがあればOK
- 回し車以上の騒音要素がない
- 購入費用含め飼育にかかる費用が安い
ハムスターは、エサや寝床、十分な運動に必要なスペースの全てが飼育ケージ内におさまります。個体もケージもサイズ小さめなので、一人暮らしの狭い部屋でも問題なし。
ケージ内で唯一音をたてやすい回し車だけ気を付けてあげれば、騒音の心配もありません。
回し車のカタカタ音は、回る際に傾いた回し車がケージや床に触れて鳴ってしまうことが多いので、その部分を改善すればOKです。
- 回し車の固定ネジをしっかり締め直す
- ケージや床の隙間にコットンやおがくずをはさむ etc
飼育費用は月1,000円前後、ケガや病気の治療も5,000円程度見ておけば十分なのも、お金のかかる一人暮らし生活向きですね。
注意点は番で飼わないこと、それから衛生面や安全面に配慮することです。
ハムスターはげっ歯類なので、オスメスで飼うと文字通りネズミ算式に増えてしまいます。一時的にでも増えればケージがさらに必要ですし、回し車の音も倍増。
一人暮らしの物件にはとても置いておけない状況を避けるためにも、1匹飼い推奨です。
また、ハムスターは雑食なので基本なんでも口にいれてしまいます。
ほお袋の段階で回収できればよいですが、誤飲の危険もあるので衛生面や安全面に配慮しておく必要があるでしょう。
ハムスターが安心できる環境づくり
- ケーブルなど配線類は保護しておく
- 壁(壁紙)に近づけない
- 合成洗剤で掃除した場所にも近づけない
- ハムスターが入れそうな隙間はふさぐ
- 床の掃除はこまめにする etc
寿命2~3年と短命なハムスターですが、その時間をめいいっぱい生きられる配慮は忘れずにいたいところです。
熱帯魚
誰でも楽しめて、洒落たインテリアにもなるアクアリウム。それを彩る「熱帯魚」は、手間やスペースの面から、一人暮らしのもってこいのペットといえるでしょう。
一人暮らしに熱帯魚がオススメな理由
- 水槽をおけるスペースがあればOK
- 個体数が少なければ費用が安い
- 個体数を途中から増やしても問題なし
熱帯魚は水槽を安定して置く場所さえ確保できれば、問題なく飼うことができます。
他のペットのように散歩も必要なく、留守番も当然問題なし。自動給餌機があれば、帰宅時間の心配すらいりません。
アクアリウムの構成に最低限必要な費用もおよそ10,000円~20,000円、毎月の維持費に約1,000円とお手頃価格。
熱帯魚自体の費用も1匹100円~1,000円と幅広いので、一人暮らしの生活費を圧迫するリスクも低いでしょう。
初心者に人気の熱帯魚(一例)
- ネオンテトラ
- カージナルアカヒレ
- マーブルハチェット
- オレンジグリッターダニオ
- スマトラ
- インパイクティス・ケリー
- ラスボラヘテロモルファ
- グッピー
- アフリカンランプアイ
- コリドラス
最初に環境を揃えてしまえば熱帯魚は後から好きに追加可能。アクアリウムを作り上げる楽しみや癒しも含め、自分の生活にあったペースで楽しめるのが大きな魅力ですね。
注意点は、必ず水槽への対策を徹底しておくこと。
不慮の事故や災害による水槽の転倒や水漏れが起きれば、階下への大量の水漏れはまず避けられません。転倒後すぐ対応できればマシな方で、不在時だったら…ゾッとしますね。
水槽の下に滑り止めシートを敷いたり、フランジ加工を施した水槽を選ぶなど最善を尽くしておきたいところです。
また、水槽分の水分が常におかれる部屋は当然湿度も上がります。湿度の高い状態が維持された部屋はカビやすく、壁紙や住宅設備の劣化を招きかねません。
原状回復費用をおさえるためにも、除湿対策は欠かさないようにしましょう。
水槽によるカビ防止策
- 除湿剤を多めにおく
- エアコンのドライ機能を使う
- 水槽に蓋をする
- 換気扇を回しっぱなしにする etc
ペット可賃貸でもNG?一人暮らしで避けるべきペットとは
実は、ペット可賃貸でも飼うことができないペットは存在します。さらに、一人暮らしという生活形態が不向きであるペットも…。
ここからは、たとえペット可賃貸でも飼育をさけるべきペットについて詳しく解説していきます。後々のトラブルを回避するためにも、しっかり頭にいれておきましょう。
大型種の動物
成長に伴い、体がとても大きくなるペットもいますよね。いわゆる「大型〇〇」に分類される動物たちです。
大型種が存在するペット(一例)
- 犬
- 爬虫類(ヘビやカメなど)
- うさぎ
- ブタ etc
これらのペットは、お世辞にも一人暮らしの生活にマッチしたペットとはいいにくいでしょう。その理由がこちら。
一人暮らしと大型種がマッチしない理由
- 必要な飼育スペースを確保しにくい
- 足音対策が難しい
- 壁や床を破壊しやすい
- 鳴き声やトイレ対策のしつけは必須
- より強固な脱走対策が必要
一人暮らし向け賃貸物件の狭さは、大型種の飼育にとって大きなネックになります。
通常時も運動時も、小型種より広いスペースが必要です。1R~1DKが多い一人暮らし向け賃貸で、そのスペースを確保するのは至難の業。
体が重たく大きい分、響きやすい足音や鳴き声にも通常以上に配慮したいところです。壁や床に穴をあけないよう、大人しく過ごさせる躾も必要になります。
なんにしても「窮屈」な思いをさせるのは、避けられないでしょう。
また、一人暮らしはどうしても目の届かない時間帯が多くなります。不在時にいらぬ混乱を招かないためにも、より強固な脱走対策が必要です。
【速報 JUST IN 】不明だった巨大ヘビ 飼育されていたアパート屋根裏で発見 横浜 #nhk_news https://t.co/K371LcPhEd
— NHKニュース (@nhk_news) May 22, 2021
しかし、賃貸である以上壁や床を傷つけるような対策はできません。別途ゲートを用意したり、窓やドアストッパーを活用するしかありません。
それでも、大型種は自力でゲートを突破したり、うっかり鍵を締め忘れた重たい窓を開けてしまうことも。
お互いの幸せを考えるなら、よほど環境を整えてあげられる人以外は大型ペットを避けた方が無難でしょう。
虫
と、一人暮らしに一見マッチしそうな虫ですが、こちらも避けた方が無難なペットの1つ。
その理由は「一人暮らしに多い集合住宅では、虫が生きにくい」ためです。
集合住宅は、非常に気密性の高い建物です。具体的には、隣室や上下階、廊下やベランダで使われたタバコやアロマの成分が、換気扇を通じて室内に流れ込むことがあるほど。
これは、当然防虫剤や殺虫剤でも同じことが起きます。戸数の多い・少ないにかぎらず、日常で防虫剤や殺虫剤を周辺住民が使う可能性はゼロではないでしょう。
スプレーや煙タイプの防虫剤や殺虫材は多く市販されており、使用を制限できるものでもありません。
1階など下層階にテナントが入る建物では、業者による定期的な防虫・殺虫処理も考えられます。
部屋にいるときは換気など対応できますが、不在時に流れ込んでしまえばペットたちは一発KO。
防虫剤や殺虫剤を使う人も、まさか誰かの大切なペットを失わせたなんて思いもしないでしょう。
ペット不可賃貸でも許可されることの多い虫ですが、そもそも集合住宅で飼うことには向いていないんですね。
フクロウ(猛禽類)
ここ数年、専門カフェなど直接ふれる機会は格段に増えてきたフクロウ。
小型種もあり、飼育スペースもコンパクトなフクロウは、一人暮らしに多い狭小集合住宅でも問題なく飼えそうな気がしますよね。
でも、実は一人暮らしには少々ハードルの高いペットだったりするんです。
その理由は、次の3つ。
フクロウが一人暮らしにはハードルが高い理由
- ペット可賃貸でも飼育不可なことが多い
- エサのネズミやヒヨコは冷凍保存必須
- フンの臭いや鳴き声対策が難しい
ペット可賃貸で許可されることの多い鳥類ですが、フクロウは鳥類ではなく猛禽類に属します。
猛禽類 もうきんるい birds of prey; raptors
タカ目,ハヤブサ目,フクロウ目の鳥の総称。一般的には鋭い嘴と爪をもち,おもに昆虫類や哺乳類,鳥類を捕食する。ミサゴのように魚食性のものもいる。しかし,こうした習性をもっていても,ほかの目(もく)の鳥は猛禽類には含めない。ワシタカ類とフクロウ類は,古くは鳥綱の同じ目として扱われていたが,形態的な類似が収斂によることから,今日では別の目に分類されている。なお,ワシタカ類を昼行性猛禽類,フクロウ類を夜行性猛禽類ということもある。
出典:コトバンク
猛禽類はペット可賃貸でも禁止している物件が多いため、一緒に住める場所を探すのに非常に苦労します。
もし運よく見つけられたとしても、次の対策に万全を期さねばなりません。
フクロウと一緒に住むなら気にするべき注意点
- 肉食ゆえに強くて多いフンの臭い
- 小柄でも大きな鳴き声
- 脂粉の飛散 etc
フクロウは肉食なので、フンの臭いもそれなりに強いです。すぐに掃除できればよいですが、一人暮らしで不在時間が長いとトラブルにつながる可能性も。
さらに、小型でも鳴き声が大きいので近隣への鳴き声対策も徹底する必要があります。
高性能な防音材で壁を覆うとなると、狭い一人暮らし向け賃貸でも数万近くかかることも…生活費の圧迫はさけられないでしょう。
また、フクロウは脂粉の飛散がすごく、まめな掃除が必要です。脂粉は大変きめ細かく、フィルターや吸排気口が簡単に詰まってしまいます。
賃貸の設備を詰まらせたまま放置→壊れたとなれば、原状回復費用の自己負担はまぬがれません。
不在時間が長く、部屋もそう広くない一人暮らし勢賃貸勢には少々荷の重いペットであることは間違いないでしょう。
一人暮らしは、これらのペットを絶対に飼ってはいけない?
そんなことはありません。
一人暮らしでも、きちんと対策をすれば飼うことは可能です。
一人暮らしに不向きなペットを飼うためにできること
- 持ち家で飼う
- 戸建て(賃貸)で飼う
- 集合住宅なら1階を選ぶ
- 防音材や消臭対策を惜しまない
- ペット用に貯蓄をしておく
- 実家など緊急時に頼れる場所を確保 etc
とにもかくにも、ペットと飼い主の双方が安心して過ごせる環境が最優先。そこにお金を費やして生活が破綻するようであれば、時期尚早ということです。
金銭面に不安があるなら、今からでもペットをお迎えするための貯蓄を始めておきましょう。
まとめ|ペットとの「二人暮らし」にむけて
本記事では、一人暮らしと相性の良い5つのペットとさけるべきペットの種類についてご紹介しました。
一人暮らしにオススメのペット
- 猫
- 小鳥
- うさぎ
- ハムスター
- 熱帯魚
さけるべきペット
- 大型種の動物
- 虫
- フクロウ(猛禽類)
一人暮らしでペットを飼うことは、広々とした家や誰かにいつでも頼れる実家ぐらしより手間もお金もかかります。しかし、それでもペットの存在は他の何にも変えられないもの。
この記事を参考に、是非ペットとの生活を検討してみてくださいね。