前記事で賃貸契約時にかかる初期費用の種類と相場について解説しましたが、結構高いと感じた人は多いのではないでしょうか。
私自身、初期費用を知ったときはびっくりしたものです。まだほかにも色々お金がかかるのに、こんなに出費が…と。
正直なところ、できる限りお金をかけたくなかったので、初期費用を安くする方法を色々探してみました。
その結果、最初も次の物件も初期費用を予算よりおさえることに成功したんです。
この記事では、その時に実践した方法も含め、初期費用を安くする方法をご紹介します。
あわせて交渉を成功させるために役立つコツも書いておきますね。
初期費用を安くする方法10選|一番のおすすめ時期は5月下旬
新しい暮らしを始めるときは、なにかとお金がかかります。
はじめての一人暮らしなら、初期費用や引越費用のほかに、新居に置く家具や家電のお金も必要です。
最初から大きな出費は正直つらいですよね…安くできるならそれに越したことはないはず。
そこで、初期費用を安くする10個の方法をまとめてみました。私が実践した方法ももちろんはいっています。
全部は無理でも、1つか2つ実現できるだけでかなり安くできます。大家さんや管理会社の様子を伺いつつ、ぜひ実践してみてください。
礼金を減らしてもらう
礼金は大家さんが決めるものなので、入居者が集まりやすい繁忙期は高く、逆に閑散期は低くなりやすいです。
気になる物件だけど礼金が高いな…と思ったら「礼金を1ヶ月分減らしてくれたら即決します」など伝えてみましょう。
大家さんも空き部屋のままにするよりは、と考慮してくれる可能性が高いです。
なお、敷金を減らすのはおすすめできません。なぜなら、何かあって家賃を滞納せざるをえない時や、退去時の原状回復費用にあててもらえるからです。
もしもの時の担保金は、お互いにとって安心材料になります。そのままにしておいた方がよいでしょう。
敷金・礼金ゼロ、仲介手数料不要の物件を探す
最初から敷金・礼金ゼロだったり、仲介手数料が無料の物件は数は少ないですが存在します。賃貸情報サイトで検索したり、不動産会社で聞いてみるといいでしょう。
ただし、ゼロである理由はどこもそれなりにあるので要注意です。
閑散期にあたる5~11月に仲介手数料半額キャンペーンをする不動産会社もあるので、積極的に探してみてもいいですね。
家賃交渉で安くしてもらう
毎月絶対に払う家賃…減らせたらかなり大きいですよね。
家賃は大家さんにとっての固定収入なので大幅に減額してもらうのは難しいですが、1~3,000円なら交渉の余地はあるでしょう。
ひと月1,000円だとしても、1年で12,000円、5年で60,000円安くできることになります。また、敷金・礼金のベースになる金額なので、そちらも安くなりますね。
家賃は閑散期(5~7、9~11月)に安く、繁忙期(8、12~4月)に高くなる傾向があります。狙い目は組織異動に伴う引越や、GW期間が終わって落ち着いた5月下旬頃です。
この時期は入居希望者の数も落ち着き、人気の高い部屋はある程度埋まっています。だからこそ素敵な掘り出し物に出会える可能性が高いんです。
私はこの時期を狙って探したことで、条件が希望通りの部屋に1件目で出会い、相場より家賃を2万安く入居できました。
閑散期の家賃交渉、ぜひ試してみてください。
家賃がクレジット払いできる物件を選ぶ
家賃は大家さんの口座への振込が主流ですが、今はクレジットカード決済できる物件が増えています。
家賃は毎月何万も支払うので、びっくりするほどポイントが貯まってすごくお得です。口座から引き落としてもらえば、振込手数料がかからないので節約にもなりますね。
フリーレントをお願いする
フリーレントとは、決められた期間のみ家賃が発生しない(無料になる)契約のことです。
期間は2週間~3ヶ月間と物件によってまちまちで、最初から「フリーレント期間あります!」と掲載している物件もあります。
大家さんにとって一番困るのは空室のまま人が入らないこと。
何もせずに物件の維持費だけかかるくらいなら、将来的に回収する見込が立つフリーレントを設けた方がリスクを負わずに済むのです。
つまり、フリーレントをお願いするなら空室が増える閑散期が一番おすすめです。
フリーレントは契約することを前提に発生するサービスです。ここにしようと意思が固まったら、ぜひ一度相談してみましょう。
保証会社必須の物件をさける
家賃保証会社必須の物件は、どうしても初期費用や毎年の保証料がかかってしまいます。
保証人を立てられるめどがあるなら、保証人必須の物件か、保証人・家賃保証会社のどちらでも選択できる物件を探すのも1つの手です。
家賃保証会社利用必須の物件は、物件概要の保証会社欄に必ず記載があるので契約前に確認できます。
心配なら、不動産会社で最初に「家賃保証会社必須の物件以外で」と伝えておくとよいでしょう。
入居日を1日付にする
月中に入居した場合、その月末までの日割家賃がかかります。
入居日を1日付にすることで日割家賃自体をゼロにし、初期費用を削減できます。引越の予定もあるので難しいかもしれませんが、調整できそうならやってみてください。
害虫駆除費や消毒費、24時間安心入居サポート料を断る
害虫駆除などの処理が必須ではない物件を選ぶのも1つの手です。物件によって強制か任意か違いますので、気になる物件ができたら先に聞いておくと安心です。
24時間安心入居サポートは完全任意ですので、加入不要と感じたらお断りしましょう。
新築・築浅物件を選ばない
築年数が浅い物件は、内装がきれいでデザインもおしゃれなことが多く、基本人気物件になります。家賃や敷金・礼金など高く設定されやすいので初期費用も膨らみがちです。
逆に、築古物件は内装をリノベーションしているとしても、建物自体や設備の老朽化などの理由から家賃交渉もしやすいです。
特に築年数にこだわりがないなら、後々交渉しやすそうな物件を選ぶことも初期費用を安くすることにつながります。
鍵交換を自分で手配する
防犯上、鍵交換自体は必須です。しかし、鍵交換作業は不動産会社の手配した業者以外でもOKなため、自分で業者を探して安くすませることが可能です。
相場より極端に安い料金じゃなければ、直接鍵屋へお願いしてみてもいいでしょう。
また、鍵の交換自体はそう難しい作業ではないため、自力でもやろうと思えばできます。
ただし、自力で鍵を交換した場合は鍵そのものが原状回復の対象になる可能性があるので注意が必要です。
退去時に元の鍵へ戻してから引き渡すのかなど、必ず管理会社や大家さんへ確認してから行いましょう。
交渉を成功させるコツ|ルールとマナーは守ろう
ここまでご紹介した初期費用を安くする方法ですが、実践する前にいくつか注意事項があります。それが、次の3つです。
・繁忙期をさけ、閑散期を狙って交渉する
・謙虚な態度を貫く
・大家さんや管理会社へ確認せずに勝手な行動をとらない
交渉でもっとも大切なのは「交渉相手の立場にたって考える」ことです。
大家さんも慈善事業で部屋を貸しているわけではありません。相手もビジネスなんです。
たとえばここでご紹介した交渉方法を立て続けに、一方的に話されたらどうでしょう。正直嫌な気持ちになりますよね。それなら借りなくていいとまで言うかもしれません。
スムーズに交渉をすすめるためには順序が大切です。
閑散期(5~7、9~11月)に物件を探す
繁忙期(12~4月、8月)は引っ越す人がとにかく多いです。当然、入居希望者も増加します。
特に「毎年3/31は引越トラックで大きい道路が確実に渋滞する」といっても過言ではないほど、多いです。
入居希望者が多いほど、部屋が埋まる確率はあがります。この時期は交渉どころかむしろ全体的にどの初期費用もあがりがちなのでおすすめしません。
繁忙期後、入居希望者の数が落ち着いた時期を狙いましょう。
物件の希望者数を聞く
気になる部屋ができたら、まず物件の人気状況を聞いてみましょう。
その時に「とても人気で他に希望者が複数人いる」と言われたら素直にあきらめましょう。今の条件のままでも部屋はきっと埋まります。
希望者が自分一人であれば、チャンスです。
物件の情報をできる限り細かく聞く
敷金・礼金はもちろん、家賃や初期費用の支払方法、保証人、部屋の設備が何年目か、周辺地域の治安、他住人の性別の比率など…とにかく聞きまくりましょう。
自分自身が判断する材料を得るのと同時に、こちらが物件に強い興味をもっていることを伝えるのはとても大切です。
大家さんも入居意思が感じられない人より、入居してくれそうな人の方が好感をもつものですよ。
契約後は管理会社や大家さんへ密に連絡をとる
交渉に成功し、無事契約した後に気になることや相談したいことができたら必ず連絡の上で行動しましょう。
エアコンの電気代を節約したいからと勝手に新機種を購入して付け替えたり、防犯強度を高めたいからと勝手に鍵を交換したりしてはいけません。
また、交渉の末、大家さんから良いお返事を頂けたら必ず契約を決めましょう。さんざん交渉して相手もそれに答えてくれたのにお断りするのはあらゆる方面に迷惑をかけます。
一番やってはいけないのが、交渉して契約の意思を示した後にキャンセルすることです。
不動産会社と大家さんの関係にも影響しますし、不動産会社も次の物件をあなたに紹介しづらくなります。
契約前も契約後も、誠意のある行動を心がけましょう。
まとめ|初期費用を正確に把握して大胆に節約しよう
初期費用の交渉は、一人暮らしで最初の難関かもしれません。
自分次第でかかる費用が変わるので、どうやったらいいのか、どこまでやっていいものか迷うことも多いでしょう。
正しい知識を身につけて、謙虚な姿勢も忘れずに、ぜひ初期費用の交渉にチャレンジしてみてください。
そして浮いたお金で好きなものを買いましょう(笑)