引っ越し

引っ越しが決まったら役所へGO!絶対忘れてはいけない7つの手続き

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引っ越しが決まったらするべき「住環境が変わることに伴う手続き」のうち、「公的証明に関わる手続き」は特に重要です。

うっかり忘れてしまうと、私たち自身の身元の証明や公的福祉を受けることが難しくなるおそれがあります。

例外なく、すべての人が引越前に絶対にすませておくべき手続きは、次の2つです。

・転出届

・マイナンバーカードの住所変更手続き

また、特定の条件に当てはまる人のみ、確認や申請が必要な手続きもあります。

・国民健康保険を受けている人

・現住所で印鑑登録をしている人

・原動機付自転車または小型特殊を所持している人

・公的介護保険を受けている人

・障害年金を受給している人

このなかには、手続きを忘れると引越後に今の住所へ戻る必要があるものも…。

郵送で対応できる部分もありますが、ただでさえ慌ただしい引越し後に郵送のやりとりが増えるのは地味にきついです。

書類の不備など、何度もやり直すリスクを考えると結局前の住所まで戻った方が早いことも多々あります。

また、インターネットから申請(電子申請)できる市区町村もありますが、すべての役所・役場で対応しているとも限りません。

引っ越し前に、できれば同じ日にまとめてすませられると一番効率がいいですよね。

 

そこでこの記事では、

・引っ越しが決まったら忘れずにするべき2つの手続き

・特定の条件に当てはまる人がすませておくべき5つの手続き

について、解説していきます。

手続きの手順や窓口、必要なものをまとめましたので、チェックしてみてください。

引っ越し前に役所でするべき2つの手続き

サインをする右手引っ越しをする人は例外なく、地方公共団体(各市区町村の役所・役場)での手続きが必須です。

基本的に現住所を管轄する役所(役場)へ直接赴き、その場で申請することになります。

どちらも、自分自身の公的証明にかかわる非常に大事な手続きです。各必要書類等をそろえて、現住所の役所・役場へむかいましょう。

・転出届

・マイナンバーの住所変更手続き

役所・役場での手続きにつきものなのが「待ち時間」です。

番号札制度など取り入れて待ち時間の有効活用に取り組む自治体も多いですが、それでも長い時は40分~1時間待つこともあるでしょう。

 

どうしても待ちたくない、時間に余裕がない人は「朝一番」の時間帯を選んでみてください。

どこの役所・役場も朝一番に来る人は意外と少なく、さっとすすめてさっと帰宅できます。

人が少ないと窓口の人も余裕があるので、いろいろと相談しやすいですよ。

転出届

引越をするすべての人が忘れてはいけないことの一つに、住民票を現住所から新住所へうつす手続きがあります。

住民票とは、「その内容を公の証明とする住民の氏名・住所などを記録した帳票」です。次の項目が必ず記載されています。

・氏名、住所、生年月日、性別

・その市区町村の住民になった年月日

・現住所の居住を定めた年月日、届け日と直前の住所

また、希望に応じて次の項目を記載することも可能です。

・戸籍(本籍地、筆頭者)の表示

・世帯主の氏名、世帯主との続柄

・住民票コード

・マイナンバー

この住民票をうつすために必要な手続きが、転出届の提出です。

転出届は現在の市区町村外に引っ越す場合のみ必要で、現住所を管轄している役所・役場の受付窓口から手続きできます。

各市区町村HPに担当窓口・受付可能日+時間帯が記されているので、チェックしておくと安心です。

転出届は引越日前後14日以内に手続き可能で、次のものが必要になります。

・本人確認書類

⇒ 官公庁発行の顔写真付き証明1点

  • マイナンバーカード
  • 写真付住民基本台帳カード
  • パスポート
  • 運転免許証
  • 療育手帳
  • 身体障がい者手帳
  • 小型船舶操縦免許証
  • 在留カード
  • 特別永住者証明書
  • 宅地建物取引士証
  • ほか官公庁発行の写真付免許証・許可証・資格証明書

 

⇒ 顔写真付き証明を用意できない場合は、官公庁発行の顔写真無し証明1点+氏名・住所・生年月日が確認できる証明1点の計2点

  • 各健康保険被保険者証
  • 介護保険被保険者証
  • 共済組合員証
  • 年金手帳または証書
  • 法人が発行した顔写真付身分証明書(社員証など)
  • 顔写真付学生証または生徒手帳
  • 写真無住民基本台帳カードなど

 

・印鑑(シャチハタ不可)

・委任状+代理人の本人確認書類(代理人に請求してもらう場合)

役所・役場で手続きをする際に頻繁に必要になるのが本人確認書類です。

ここに記載した本人確認書類はほか手続きでも適用されますので、参考にしてください。

もし、本人確認書類がうまくそろえられない時は、事前に窓口に相談してみてください。特にパスポートの期限切れや、健康保険証切替のタイミングには注意しましょう。

 

必要なものをそろえて、該当の窓口で手続きが完了すると「転出証明書」がもらえます。

これは引越先住所を管轄する役所・役場に提出する大切なものですので、なくさずに保管しておいてください。

転出届は取り消したいときは?

引っ越しが延期や中止になるなど一度だした転出届が不要になった場合は、窓口へ転出届の取消を申請しましょう。

発行された転出証明書・本人確認書類・印鑑があればOKです。

なお、マイナンバーカードを所持している人は転出証明書の発行が不要になります。

マイナンバーカードのICチップに転出届の情報が記録され、それが転出証明書の代わりになるためです。

その際に、マイナンバーカードにかかわる手続きも行うので、所持している人は出すのを忘れないように気を付けましょう。

転居届とは?

現市区町村内で引っ越す場合は、転出届は不要です。

代わりに転居届を引越後14日以内に提出します。詳細は引越し後の手続きをまとめた記事にて解説予定です。

【対象者】現市区町村外に引っ越し

【手続き場所】現住所管轄の役所(役場)

【提出期日】必ず引越日前後14日以内に

【持ち物】本人確認書類・マイナンバーカード(所持者のみ)

【処理手数料】なし

【注意点】

引越す本人以外が手続きする場合は要委任状

マイナンバーカードを所持している人は転出証明書不要

マイナンバーの住所変更手続き

マイナンバーカードを所持している人は、マイナンバーカードに記録されている住所を変更する必要があります。

転出届の手続き時に所持している旨を伝え、あわせて住所変更をしてもらいましょう。転出届の際に窓口に提出し、受け取るだけでOKです。

なお、マイナンバー通知カードのみ所持する場合は、住所変更など手続きは必要ありません(2020年9月28日現在)

通知カードは「マイナンバーの確認・証明のためのカード」なので、記載の住所と現住所が違ってもそのままで大丈夫です。

本人確認書類としても使用できないため、届け出などに支障がでることもありません。

マイナンバーカードを取得する際に、返納する必要があるので大事に保管しておきましょう。

引越のときに「本籍地」って変えるの?

本籍地とは、その人の戸籍を管理している場所を指します。

住所と違い、引越を理由に異動させる必要はありません。出生地や長く住んだ土地から変えていない人は、結構多いのではないでしょうか。

戸籍謄本など一部証明は本籍地でしか取得できないため、不便を感じるなら転籍届を提出し、現住所近くへの変更も可能です。

ただし、遺産相続など生前すべての戸籍が必要になる手続きもあるため、あまり頻繁に変えない方が後々の手間を少なくできますよ。

【対象者】現市区町村外に引っ越しかつマイナンバーカード所持

【手続き場所】現住所管轄の役所(役場)

【提出期日】必ず引越日前後14日以内に

【持ち物】マイナンバーカード、印鑑

【処理手数料】なし

【注意点】転出届とあわせて手続きするのが一番楽

特定の条件に当てはまる人に必要な5つの手続き

どこかのビルの受付と受付嬢現市区町村外に引っ越す人に義務付けられている2つの手続きと違い、特定の条件を満たす人のみに必要になる手続きもあります。それが次の5つです。

・印鑑登録の抹消(廃止)

・国民健康保険の資格喪失手続き

・廃車手続き

・公的介護保険の資格喪失手続き

・障害年金の住所変更届

対象となる手続きは人によりますが、こちらも忘れたまま引っ越すと後々面倒なことになりかねません。今のうちにすませておきましょう。

印鑑登録の抹消(廃止)

印鑑登録を現住所で行った人は、引越にあわせて登録の抹消(廃止)手続きが必要です。

転出届をだすタイミングで、登録時の印鑑登録証を一緒に返却するとスムーズにすすめられます。

印鑑登録とは?

自分の印鑑を現住所の市区町村役所(役場)に登録することを、印鑑登録といいます。

登録した印鑑は実印とよばれ、個人(または法人)を証明するために使用することが可能です。

次のような場面で実印や印鑑登録証を求められるときに使いますが、使用予定がなければ無理に登録する必要はありません。

・公的証書の作成

・重要な契約書類(不動産や自動車など高額な取引をする時)

各役所(役場)によって、転出届の提出と同時に手続きする場合もあります。そのときは、手元の印鑑登録証を破棄すればOKです。

なお、転居のみ(同市区町村内の引越)の場合は、転居届の提出と同時に印鑑登録の情報も更新されるので別途手続きはいりません。

【対象者】現市区町村外に引っ越しかつ現住所で印鑑登録済

【手続き場所】現住所管轄の役所(役場)

【提出期日】特になし

【持ち物】印鑑登録証

【処理手数料】なし(印鑑登録証明書発行手数料は有料)

【注意点】本人確認書類の種類によっては現住所の役所(役場)に2回行く必要あり

国民健康保険の資格喪失手続き

国民健康保険(国保)は、各市区町村ごとに加入します。そのため、加入先が変わる引越時は、住所変更の手続きが必須です。

もし忘れると国保が適用されずに、診療が全額自己負担になるほか、適切な保険料の納付ができずに滞納させてしまいます。

滞納した分はあとから遡及してまとめ払いすることになるので、かなり大きな負担です。転出届をだすタイミングで、あわせて手続きをすすめましょう。

同市区町村に「転居」する人は、転居後の手続きで大丈夫です。引越前にすることは特にありません。

現住所の役所・役場へ直接むかい、窓口で次のものを渡して手続きをすすめましょう。

・国民健康保険被保険者証

・印鑑(シャチハタ不可)

・本人確認書類

・マイナンバーカードまたはマイナンバー通知カード

なお、非自発的離職者に関わる法定軽減制度を受けている、またはこれから受ける人は次のものも必要になります。

・雇用保険受給資格者証

非自発的離職者に関わる法定軽減制度とは?

2010年4月より、次の理由で離職した人が届け出た場合に国民健康保険料が軽減されるようになりました。

・倒産・解雇などによる離職(特定受給資格者)

・雇い止めなどによる離職(特定理由離職者)

軽減が適用される条件はほかにもありますので、気になる人は各市区町村のHPからチェックしてみてください。

これらを持参し、庁舎内にある届出書と一緒にだせば手続き完了です。

【対象者】現市区町村外に引っ越しかつ国民健康保険に加入済

【手続き場所】現住所管轄の役所(役場)

【提出期日】引越日から14日以内(引越前でも手続き可)

【持ち物】国民健康保険被保険者証・印鑑・本人確認書類

【処理手数料】なし

【注意点】手続きを忘れると健康保険が使えなくなるので要注意

原動機付自転車など廃車手続き

バイクを所持している人は、引越にあわせて廃車手続きが必要です。また、バイクの大きさによって必要書類や窓口が異なります。順番にみていきましょう。

原動機付自転車(125cc以下)・小型特殊の場合

現住所を管轄する役所(役場)の窓口で、手続きができます。

・廃車証明書(廃車申告受付書)の取得

・現住所管轄の役所(役場)から貸与されたナンバープレートの返納

・標識交付証明書の返納

廃車手続きに必要なものは、次の4つです。

・標識交付証明書

・印鑑

・ナンバープレート

・本人確認書類

この手続きで取得できる廃車証明書が、引越先の役所・役場に提出に必要になるので大事に保管しておいてください。

【対象者】現市区町村外に引っ越しかつ原動機付自転車または小型特殊を所持

【手続き場所】現住所管轄の役所(役場)

【提出期日】引越日から15日以内

【持ち物】標識交付証明書・印鑑・ナンバープレート・本人確認書類

【処理手数料】なし(ナンバープレートを紛失した場合は200円)

【注意点】引越先で廃車・登録手続きをまとめてすることも可能

軽二輪・小型二輪バイクの場合

軽二輪バイク(125cc~250cc以下)と小型二輪バイク(251cc以上)は、引っ越し前にすませておく手続きが特にありません。そのまま引っ越しして大丈夫ですよ。

公的介護保険の引継ぎ

両親や祖父母の介護など公的介護保険を現在受けている人は、引っ越しに伴う手続きが必須です。

現住所で認定された介護・支援度を新住所へ引き継ぐために、現住所の役所で介護保険受給資格証明書を交付してもらいましょう。

その際、以下を準備・決定しておくとスムーズにすすめられます。

・介護保険被保険者証

・引越先の住所、連絡先

・転出予定日

・証明書送付先(即時発行しない場合)

引越後に、新住所で使用するので大切に保管しておいてください。

【対象者】現市区町村外に引っ越しかつ公的介護保険を受けている人

【手続き場所】現住所管轄の役所(役場)

【提出期日】引越日前日まで

【持ち物】介護保険被保険者証

【処理手数料】なし

【注意点】即時発行しない場合は、受取日時の調整が必須

障害年金の住所変更手続き

障害年金受給者は、引越にあわせて住所変更だけしておけばOKです。

そのなかでも手続きが必要な人と不要な人がいますので、その違いを解説していきます。

手続きが不要な人

日本年金機構に登録される情報に、次のいずれかが登録されている人は手続き不要です。

・住民票コード(住民票に記載されている個人でもつ11桁の番号)

・マイナンバー(個人番号)

日本年金機構が住民基本台帳ネットワークシステムで基礎年金番号と紐づけるので、別途申請しなくても自動で変更されます。

住所変更だけでなく、氏名変更や相談・照会にも活用できるので、まだの人はマイナンバーと紐づけておくのがオススメです。

マイナンバーが年金情報と紐づいているかどうかは、ねんきんネットや最寄りの年金事務所で確認することができます。

なお、住民票コードが記載されている住民基本台帳カードは2015年12月28日に新規・再発行が終了しました。

今から紐づけを検討する方はマイナンバーカードの作成をオススメします。

手続きが必要な人

日本年金機構の情報に、住民票コードもマイナンバーも紐づけられていない人は自分で住所変更の手続きをする必要があります。

最寄りの年金事務所に直接むかい、「年金受給権者 住所変更届」の手続きをしましょう。郵送でも対応可能ですので、日本年金機構のHPから確認してみるといいですね。

手続きに必要なものは次のとおりです。

・年金手帳

・印鑑

・本人確認書類

年金情報に登録される住所は障害状態確認届の送付にも使用されるため、確実に変更しておきたいですね。

 

なお、障害年金に限らず、日本年金機構に登録される住所変更は引越後10日以内が期限になります。

しかし、変更届が反映されるのに1ヶ月以上かかることを考えると、引越後ぎりぎりではなく、引越前にすませる方が安心です。

 

引っ越しが延期・中止になる可能性を考慮しつつ、早めに届け出ておくことをオススメします。

【対象者】現市区町村外に引っ越しかつ障害年金受給者

【手続き場所】最寄りの年金事務所

【提出期日】引越日から10日以内

【持ち物】年金手帳・印鑑・本人確認書類

【処理手数料】なし

【注意点】反映に1ヶ月かかるので、届け出はお早めに

まとめ|現住所にかかわる手続きは引っ越し前にすませよう

何かを記す女性の手とマグカップこの記事でお伝えした手続きは、引っ越す前にすませていく方が後々の手間を大幅にカットできるものばかりです。

現住所にいるうちに手続きすることで、もし不備や不明点があってもすぐ相談できるというメリットもあります。

また、手続きの数は人によりけりですが、うまく調整すれば1日ですませることも可能でしょう。

安心して引っ越すために、それぞれの手続きをしっかり終わらせておきましょう。