一人暮らしを考えたとき、ふと気になることの1つに「病気・ケガなど体調不良」があります。
風邪をひいたり、うっかり手を切ってしまったり…その況や症状はさまざまです。そんなとき、次にとる行動はおおきく4パターンに分けられます。
・すぐ病院に行く
・すぐ病院に行けないので自力で応急処置をする
・数時間~数日様子を見て、必要なら病院へ行く
・特に何もしない
特に何もせず、寝て治るならそれが一番ですよね。逆に、自分の意志や行動でどうにもならないほど状態が悪いなら救急車を呼んででも病院へ行くべきでしょう。
でも
「すぐに病院に行けない」
「症状はあるけど様子をみたい」
判断に迷いやすく、比較的起こりやすいのがこの2つの状況のために、用意しておきたいのが「常備薬」です。
そこで、この記事では
・これだけは用意しておきたい常備薬18選
・常備薬を管理するために知っておくべき4つのルール
の2つについて、ご紹介します。
今すぐ必要じゃないからこそ、今ここでいっしょに確認していきましょう。
これだけは用意しておきたい常備薬18選
そもそも、「常備薬」とはなんでしょうか。
常備薬とは、文字通り普段から備えておいていざというときに頼るための薬品です。具体的な「いざ」は次の3つがあります。
・病院にいくまでの一時的な手当
・病院にいくほどでもない軽い症状を治す(または健康の維持)
・体力増進
近くの病院があったとしても、いざ病気やケガをしたときに開いているとも限りません。特に土日祝であれば遠方の救急対応の病院しか選べないことも考えられます。
交通費もかさみますし、なにより自分がしんどいですよね。
症状が軽く、自身の体力に余裕があるときに限りますが、常備薬という選択肢は生活の安心感を与えてくれます。
そこで、一人暮らしならこれだけは用意しておきたい常備薬をまとめてみました。
ケガをしたとき
包丁で手を切ってしまった、転倒して擦り傷ができた…など外傷がはっきり見えるケガはそのまま放置してはいけません。
傷口の化膿を防ぐためにも、十分な量の水でしっかり洗ってから処置をしましょう。
次の常備薬があれば、一通りの処置が可能です。
- ばんそうこう
- ガーゼ
- サージカルテープ
- 消毒薬(オキシドール、マキロンなど)
- 包帯
- 綿棒
- ワセリン
- オロナイン
速やかに処置をすることで、化膿や破傷風など防ぐことができます。
一人暮らしだと家事をすべて自分で行うので、水に強いシリーズのばんそうこうがあると安心ですね。
また、ワセリンは手荒れや傷口の保湿など活躍できる場面が多く、一つ買っておくととても重宝します。
虫刺され対策
気温が上がる時期、特に夏場は蚊やブヨなど虫対策が必須です。
虫刺され程度と思いがちですが体調不良時に想像以上に腫れたり、かきむしりによって皮膚を強く傷つけることも考えられます。油断せず、早め早めの対応が吉でしょう。
10年一人暮らしをした私が、虫刺され対策で最高に重宝した常備薬が次の2つです。
- ムヒアルファEX
- キンカン
この2つがあれば大抵乗り切れます。
特にムヒアルファEXは使うと痒みがスッと引くので、本当に助かりました。
チューブタイプと液体タイプの2種類がありますが、好みで使いやすい方を選んで問題ありません。
液体タイプだと手を汚さずに何度も塗り直しができるので、私的にはこちらがオススメです。
日常のコリはこまめに解消
肩や首など、仕事や勉強につきものなのが「コリ」ですよね。
テレワークなどデスクワーク勤務が増え、コリを悪化させる環境がさらに整いつつある…といっても過言ではないでしょう。
コリを放置し、環境の改善も行わないままでいると症状はどんどん悪化していきます。あまりに酷いコリは頭痛や吐き気をもよおしますので、早急に対処したいところですね。
そこで用意しておきたいのが、次の3つの常備薬です。
- パテックス
- サロンパス
- ロイヒつぼ膏
個人的にもっともオススメしたいのが、ロイヒつぼ膏です。
以前、デスクワーク×繁忙期で首がガッチガチに固まってしまい、首を動かすこともままならなくなってしまいました。
その際、藁にも縋る思いで使ったのがこのロイヒつぼ膏です。以前Twitterでバズっているのを見かけてから、いざというために購入しておきました。
使用後の感想は…想像以上の効果でした。
うつむくのも寝るのもつらいほど固まった首のコリが緩され、なんとか生活に支障がない状態まで戻ってこれたんです。
一度の使用でだいぶほぐれましたが、そのまま数回使用を継続。病院に駆け込む事態はなんとか免れました。あの出来事から、家に欠かさずおくようにしています。
可能なら病院に行けるのが一番ですが、それまでの一時的な時間稼ぎには重宝するかもしれません。
1点注意したいのが、お風呂上りにすぐ貼ると赤みが出てしまう恐れがあること。
用法・用量欄にも記載がありますが、入浴後1時間経過してから使用するとよいでしょう。
軽い風邪の症状をおさえたい
微熱がある、咳だけ、のどに軽い痛み…風邪かな?と思いつつ、まだ症状がそれほどひどくない時ってありますよね。
早めに病院へ行くことがもちろん大切ですが、状況によってはすぐ行けるとも限りません。
そんな時のために、風邪の症状を緩和し、一時的にしのぐために役立つ常備薬が次の2つです。
- 総合感冒薬
- トローチ
とりあえずこの2つがあれば、風邪の主な症状にだいたい対応できます。自宅はもちろん、職場にも数回分置いておくと安心ですね。
総合感冒薬は、商品によって得意とする症状が違います。
喉の痛みや頻繁な咳、発熱など人によって出やすい症状は違うので、効能・効果の記載をよく確認して購入するとよいでしょう。
また、トローチは口内の殺菌だけでなく、菌の増殖を防ぐ効果もあります。今より症状を悪化させないための手段の1つとして、使うとよいでしょう。
トローチは1日の上限摂取量がありますので、必ずパッケージの記載を確認してから使いましょう。
さらに適切に使うために、次の2点を特に意識してみてください。
・かみ砕かずに徐々に舐めて溶かす
・全て舐め終わったら30分程度飲食を控える
市販薬で風邪の初期症状を抑えるために、環境を整えておくことも大切です。
薬の効果を最大限発揮させるためにも、次の行動を実践してみましょう。
・外出前後にうがいをする
・こまめに手を洗う
・水分、栄養をしっかりとる
・睡眠時間を確保する
冬場など空気が乾燥する時期は、湿度の調整も大切ですね。
常備薬だけで症状が完全におさまればよし、おさまらない時は必ず早めの受診をこころがけましょう。
口内炎を撲滅したい!じつは豊富な常備薬
うっかり噛んでしまった、体調不良でできてしまった…日常生活につきものなのが口内炎です。
ただあるだけで痛み、集中力を削いでくる…治るのにも時間がかかる…そんな症状はできる限り早く治したいですよね。
実は口内炎の治癒を早める、または痛みを抑えるための常備薬はとても種類が豊富なんです。amazonで「口内炎」と検索するだけでも300種類以上の商品がでてきます。
そのなかでも、私自身が使用してみて特に効果を感じたものが次の3つです。
- 口内炎用軟膏
- 大正クイックケア
- ペラックT錠
この中でもっとも使いやすく、早期に効果を感じられたのが大正クイックケアです。
患部に直接貼った後もずれることもなく、炎症部分をしっかりふさぐように貼ることで痛みから解放してくれます。
寝る前の使用で翌朝口内炎が良くなっているのが体感できるので、かなりありがたいです。
なお、こちらは指定第二類医薬品で、副作用がほかの薬より強くでる恐れのある医薬品。
使用上の注意や用法・用量などパッケージ裏に詳細が記載されているので必ず一度は読み通してから使用しましょう。
胃腸を制する者はすべてを制す
風邪やストレス、暴飲暴食によりだれでもなりやすいのが胃腸の不良です。
胃もたれによる吐き気や倦怠感、便秘や下痢など症状はさまざまで、動けなくはないけど快調でもないなんてことよくありますよね。
そんなときのために、次の胃腸薬や整腸剤を用意しておくのがオススメです。
・必要に応じて使うタイプ
・毎日飲み続けることで胃腸を整えるタイプ
前者は各メーカーから様々な商品が出ています。選ぶのに悩んだら「食前に服用するタイプと食後に服用するタイプ」の2つをとりあえず用意しておきましょう。
胃腸薬はおもいのほか日常生活で出番が多く、飲み会などあると自分のタイミングで飲めるとは限りません。
食前・食後のどちらでも服用できるよう、普段から両方手元に準備しておくと便利ですよ。
およそ数時間~半日程度で効果があるため、ずるずると後に響かせずにすむのがありがたいですね。
一方後者は、毎日飲み続けることで効果を発揮します。定期的に飲むことで便秘や膨満感を解消し、日々の体調管理の支えになってくれるタイプです。
こちらは即効性がなく、最低でも1ヶ月は続ける必要があります。忘れずに飲むことが苦手な方には向かないでしょう。継続することが必要なため、その分費用もかかります。
日々の便秘やおなかが頻繁に張ってつらい人にオススメです。
下痢止めって必要?
日常生活にダイレクトに支障をきたす症状といえば、下痢を連想する人は多いでしょう。
日常で下痢にみまわれやすい状況は、主に次の5つが考えられます。
・緊張を感じるとき
・体が冷えやすいとき
・飲みすぎ、食べ過ぎたとき
・食あたり、水あたり
・風邪などの体調不良
自宅にいる時はもちろん、移動中や会議など拘束される場面も多いので常に一つ持っておくと安心です。
下痢止めの代表格といえば正露丸ですが、ほかにも水なしですぐ飲めるタイプや持ち歩きしやすいタイプなど色んな種類があります。
自分の生活にあった、あるいは体にあっているものを一つ用意しておくとよいですね。
一つあると安心できる痛みどめ
頭痛・腹痛・胃痛など、病院に行くまでの間ずっとそのままはつらいものです。一時的でもいいから痛みを解消したい!そんな時に役立つのが痛み止めです。
- ロキソニン
- イヴ
- バファリン
痛み止めでぱっと思いつくのがこちらの3つです。
それぞれ成分に違いがありますが、私はイヴがあれば充分でした。全部使用してみて、痛みの強さに対応できる順はロキソニン>イヴ>バファリンという感じです。
もちろん個人差があるものなので、できれば一通り試して自分にあったものを選ぶのがベストですね。
痛み止めは一時的に痛みを抑えるものなので、薬の効果が切れれば当然痛みが復活します。
かといって、服用し続けるのはあまり推奨できません。体が慣れてくると効かなくなってしまいます。一週間以上連続して服用するのは絶対避けましょう。
痛み止めで一時的にでもおさえられたら、できる限りはやめに病院にいくことをオススメします。
その他
そのほか突発的な症状ではなく、自分の体質に応じて次の2つを用意しておくと安心です。
- 目薬
- 酔い止め
目薬はドライアイの人には必須ですよね。最近の目薬のほとんどはコンタクトをしたまま使用可能ですが、購入前に必ずパッケージの注意事項を確認しておきましょう。
また、電車やバス・車など乗り物酔いが顕著な方は酔い止めを常備しておくだけで安心感が段違いです。
私自身、かなり酔いやすい方なのでお守り代わりに常に数回分持参しています。
1点注意が必要なのは、酔い止めは酔いそのものをなくすわけではありません。酔いによって発生する吐き気などさまざまな症状をおさえる効果があります。
吐き気はないのに視界や脳の感覚がぐるぐる回る感じですね。その点を理解した上で使用することをオススメします。
常備薬を管理するために知っておくべき4つのルール
常に備えておく薬なので常備薬…ですが、常にあるということはそれなりのメンテナンスが必要になります。
いざ使おうとしても購入時から状態が変質していないか、服用・使用しても大丈夫なのか判断することは大変難しいでしょう。
ここでは、意外と知らない常備薬の正しい管理方法について、ご紹介していきます。
常備薬は「4つのルール」で管理しよう!
どの薬でも、必ず使用期限があります。この期限内ならどう使っても大丈夫!なんてことはもちろんありません。
あくまで「適切な環境のもと管理された薬」の使用期限になります。その適切な環境をつくるための大事なルールが次の4つです。
・暗所(直射日光など強い光があたらない場所)
・湿度(乾燥材で調整してもOK)
・室温(15~25℃)
・使用するまで未開封(容器の移し替えはNG)
どれも薬のパッケージにある記載事項でよく見かける文言ですね。これらは常備薬の品質を正常に保ち、定められた使用期限まで使うために記載されています。
品質の低下や劣化した薬を服用することは大変危険ですので、安心して使うためにもルールを必ず守りましょう。
常備薬をおくならこんなところに
常備薬は家のどこに置いておくのがベストなのでしょうか。置き場所を決める時に気にしておきたいポイントをまとめました。
・窓際、水場をさける
・床から50cm以上高い場所
・置く場所は一か所に集約
先ほどの4つのルールのうち、適切な「湿度」や「暗所」をクリアするには窓際・水場は避けるべきでしょう。
また、床にちかい高さにおくと水漏れや浸水の被害を受けてしまう可能性があります。日常で目に入りやすく、取り出しやすい高さがオススメです。
なお、常備薬の「置き場」は一か所に集約させ、持ち出すときはそこから補充する習慣づくりをしておきましょう。
家のあちこちに置き場をつくると管理が煩雑になり、使用期限の見逃しや残数管理がおろそかになりがちです。
防災バッグや職場に置く分、手荷物に加える分は必要な分だけ補充するようにして、集約した置き場での管理をこころがけましょう。
常備薬は定期的に点検しよう
いつも家にある安心感から、つい忘れがちなのが常備薬の点検です。必要な時にしか使わないからこそ、必要な時に活躍できるよう定期的に点検する習慣はとても大切になります。
一人暮らしであれば、1~2か月に1度点検をするのがオススメです。忘れがちな人は携帯のスケジュールやカレンダーにメモしておきましょう。
点検する時のポイントは、具体的に次の3つを重視して確認します。
・使用期限内かどうか(処方後1年以内か)
・開封後放置されていないか
・見た目や形状に変わりがないか
常備薬の点検をする時にとっても大切なコツがあります。
それは「もったいない精神は厳禁!」です。
品質が劣化し、安全性を確保できていない薬の使用は予測不可能なリスクが伴います。
いざ使いたいときに安心して使うためには「まだギリギリ使えるかも…」という考えは捨て、スパッと廃棄してしまいましょう。
どうしても捨てるか判断に悩むときは、混雑する時間帯を避けて薬剤師さんへ相談してもいいですね。
まとめ|いつかの自分を助けるために
この記事でご紹介した「一人暮らしで用意しておきたい常備薬」は次のとおりです。
- ばんそうこう
- ガーゼ
- サージカルテープ
- 消毒薬(オキシドール、マキロンなど)
- 包帯
- 綿棒
- ワセリン
- オロナイン
- かゆみ止め(ムヒアルファEX、キンカンなど)
- コリ対策(サロンパス、ロイヒ軟膏など)
- 総合感冒薬
- トローチ
- 口内炎対策(口内炎用軟膏、大正クイックケアなど)
- 胃腸薬(大正漢方胃腸薬、ビオフェルミンなど)
- 下痢止め
- 痛み止め(ロキソニン、イヴ、バファリンなど)
- 目薬
- 酔い止め
一人暮らしであれば使用頻度もそう高くないので、これだけあれば日常生活の困りごとはほぼカバーできるでしょう。
また、使用頻度が高くないからこそ、管理や点検を怠らないようにしたいですね。
すでに自宅に常備薬がある人も、まだ何も用意できていない人も、この記事を参考に生活の「安心」をぜひ増やしてみてください。