多種多様な物件から自分の住みたい部屋を探すのはとても楽しいですよね。
でも、部屋探しを進めれば進めるほど、こんな悩みがでてきませんか?
・どの条件を優先すべきなのかわからない
・どこまで妥協したらいいのかわからない
・選んだ条件面が自分の望む環境につながるのかわからない
どんな人でも、条件面がすべて叶う物件を見つけるのは至難の業です。
たくさんの気になる条件面から、優先順位や妥協点を決め、最終的にたった1つの部屋を選ぶことになります。
でも、こだわりたい条件って人によって全然違いますよね。そもそもどの条件面を重視すれば自分のほしい環境が手に入るのか…わからない人の方が多いと思います。
そこで、この記事ではたくさんのこだわりに優先順位をつけるコツやその方法をお伝えしていきます。
当時私自身が部屋探しした時にどうしたか、実際に暮らしてみてどう感じたか、あわせて書いていきますので参考にしてくださいね。
部屋探しはどこまで妥協できる?|自分の生活を見える化してみよう
部屋探しの最大のコツは、ずばり「自分の生活をできる限り具体的に想像すること」です。
新しく始まる生活風景を想像すればするほど、何が必要で何がいらないか見えてきます。イメージの地盤が固まれば、あちこち迷うこともなくなるでしょう。
では、どうすれば具体的に想像し、生活のイメージを固められるのか?
私が2軒目に引っ越すときに実践した方法を1つご紹介しますね。
紙とペンだけあればOKです。
自分が叶えたい生活風景を想像してみる
まず最初に、新しい生活を始めた自分を想像してみてください。突拍子がなくてもかまいません。ばらばらに思いつくところからで大丈夫です。
住み始めはもちろん、数年経ったらこうなってるかも…まで自由に想像してみましょう。平日や休日の過ごし方もそれぞれイメージできるとベストです。
頭の中だとやりにくいなら、画像検索したり、絵にかいてみてもいいですね。
いい感じに想像できたら、次はそのイメージを文字にしてみましょう。
あなた自身のこだわりですから、一切遠慮することはありません。じゃんじゃん書き出してください。
以下は一例です。
・家賃はいくらまでがよいか
・マンションやアパートの規模にこだわるか
・徒歩、バス、電車はそれぞれどれぐらい利用したいか
・毎日のお風呂はシャワーか湯船につかるのか
・どれぐらいの頻度で料理(自炊)するのか
・外食はどれくらい利用するのか
・1週間を通して、家にいる時間は長いか短いか
・休日はなにをして過ごすことが多いか
・衣服はどれくらい持っていたいか
・寝具はベッドか布団か
・洗濯物は外干し派か乾燥機派か
・パソコンを利用するか
・ベランダから景色を楽しみたいか
・小さくてもいいから花や野菜を育てたいか
・部屋の内装のデザインにこだわるか
・ダイニングテーブルやソファをおきたいか
・どんな街を歩くのが好きか
・平日の帰宅時間は遅いか
・時間に余裕のある生活か
・夏や冬の気温差はどんな形でのりきるか
・今または将来ペットを飼いたいか
・楽器をひく機会があるか
・居住期間が1年以内など限定的か …etc
例えば、ペットと暮らしたい人は具体的にどんな種類なのか、散歩の有無や体の大きさ・寿命など…一緒に過ごす時間をイメージできるといいですね。
こだわりと条件面を結び付ける
全部書き出せたら、次はそのこだわりたちを現実の条件や設備と結び付けましょう。
書き出したこだわりごとに、関係ありそうな条件面を書き込んでください。
【例】
・毎日お風呂は湯船につかりたい
→ 浴室、水道代、ガス代、ガスの種類
・小さくてもいいから花や野菜を育てたい
→ 日当たり、ベランダあり、エアコン付き、採光面
・ダイニングテーブルをおきたい
→ 部屋面積、部屋数が1DK以上
・平日の帰宅時間は遅い
→ 駅近、治安の良い街、深夜営業のスーパー
書き込んだ条件を3つに振り分ける
終わったら、数が多かった条件・設備に印をつけてみましょう。
それがあなたにとって「特に優先順位の高い」条件です。
それから、印をを参考にしつつ、書き込んだ条件を
◎ 優先順位:高(絶対ゆずれない)
〇 優先順位:低(できればほしい)
△ 妥協点(なくてもなんとかなる)
の3つに分けてみましょう。
この時、優先順位高~低の2つはあわせて上限10個までにしてください。
残りは全部妥協点につっこみましょう。
特殊な条件(ペット可、楽器可など)は、個別にピックアップして「優先順位:高」にいれておきましょう。
特殊な条件についてはこちらを参考にどうぞ。
うまく分けるコツは、条件を単体ではなく全体のバランスで分けることです。
自分が最初に想像した生活風景を隅々まで見渡してみてください。
例えば、寝具がベッドの人は部屋面積が広くないと居住スペースが狭まってしまいます。
逆に布団の人は居住スペースに余裕はできますが、代わりに布団をしまう収納が大きい方がよいでしょう。
パズルを組み合わせるように、条件のバランスをみて振り分けましょう。
妥協点のリストの内容を見直してみる
ここで、妥協点のリストに注目してみましょう。たくさん条件が詰め込まれているでしょうか。それとも思ったよりも少なかったですか?
この中から、優先順位:高・低リストの条件があれば問題が解決するものを外しましょう。
例えば、優先順位高・低リストに「部屋面積広め」や「広めのベランダ」があるなら、妥協点から「24時間ゴミ出し可」を外してもよいでしょう。
ごみ袋を置くスペースが別に確保できるからです。
また、住みたい地域が先に決まっているなら「床暖房」や「オール電化」など物件数が限られる条件は先に検索しておきましょう。そこで1件~数件であればリストから外します。
あまりに件数が少ないと部屋探しが難航してしまうためです。
妥協点のリストを必要な順に並び替える
残った妥協点の条件リストをほしい順に並べてみましょう。
ここまでの手順で自分の生活で優先度の高い条件をもう選べているので、妥協点リストはなんとなくほしい順とかで大丈夫です。
地域にもよりますが、優先順位高+低にいれた条件10項目で絞っても、まだ物件数が多く残ります。
そこから絞るのに、妥協点リストの条件を上から順番に追加していくといいでしょう。
リストをもとに部屋を探してみよう
これで、あなたの生活風景を元にした「部屋探しの優先順位・妥協点リスト」の完成です。
試しにそのリストを元に物件を検索してみてください。今までよりぐっと探しやすく、イメージに近い物件を見つけられたのではないでしょうか。
もちろんWebに載っていない物件もたくさんあるので、そのリストを持って不動産仲介店へ行ってみましょう。要望がはっきりしているほど、先方も物件を出しやすくなります。
自分の想像を形にできたなら、同じように迷うことはもうありません。気持ちをあらたに、部屋探しをがんばりましょう!
私の優先順位と妥協点|実際に暮らしてみて気づいたこと
ここからは、私が実際に部屋探しをしたときの回顧録です。
当時どうやって優先順位や妥協点を決めたのか、選んだ結果の生活はどうだったのかをまとめてみました。
あくまで一個人の生活観なので、興味のない方は読み飛ばしちゃってください。
私は実家→1軒目→2軒目→実家と計3回引越をしており、トータルで10年ほど一人暮らしをしていました。
今回はその1・2軒目について、お話しますね。
なお、間取り図は私が5分でざっくり作ったものです。クオリティその他もろもろはご了承ください(笑)
まさかの1件目で即契約|条件は希望どおりだったけど…
最初に一人暮らしを始める時、私の決めた妥協点と優先順位はこんな感じでした。
生活のイメージを固めないまま探し始めたので、リスト内容もふわふわしています。
◎ 優先順位高め
・こたつを置きたい
・家賃上限7万
・通勤片道1時間以内
・南向き
・2階以上
・都市ガス
・行ける範囲に激安スーパー
〇 優先順位低め
・オートロック
・BSアンテナ
△ 妥協点
・宅配ボックス
・駅徒歩15分以上
・部屋面積は狭くても仕方ない
・風呂トイレ別にはこだわらない
・築浅だとうれしい
数か所の街へ下見に行き、いざ賃貸情報サイトで検索しました。
そこで相場より安めの物件が気になって不動産仲介業者へ電話したら、なんとその日に契約することになったんです。
その物件がこちらです。
図のとおり、この物件は当時の私の条件リストを奇跡的に網羅していました。
他の人も同じように感じたのか非常に人気が高く、下見に行ったその場で即契約せざるをえませんでした。結果的にはそれで良かったと思います。
総じて快適な暮らしでしたが、生活が進むにつれて「思ってみたのと違うな」と思う部分もありました。それぞれまとめてみたのが、こちらになります。
住んでみて良かった点
・駅徒歩12分程度なら、毎日の往復も慣れて苦にならない
・目の前の幹線道路にたまに通るバイク(爆音)以外、音は気にならなかった
・気密性が高いので夏は涼しく、冬は冷え込まない
・部屋面積がせまいので、24時間ごみ出し可は助かった
・不審な訪問者はオートロックの外で追い返せる
住んでから気づいた点
・新築なので、気を付けて住んでいても退去時は緊張した
・幹線道路の排気ガスが気になり、洗濯以外で窓は開けにくかった
・料理する時は空調が届かないと暑いので、ドアを閉められない(特に夏場)
・オートロックをすり抜けてくる人は結構いる
・激安スーパーまで自転車で往復するのは体力的にきつい
・トイレはやっぱり個室がいい
一番衝撃的だったのは、オートロックの件です。誰かが開けた時に一緒に入ってきていたようでした。
もちろん大方の不審者は防いでくれたので、あった方が間違いなく安心ですよ。
生活の中で工夫できる範囲、できない範囲があり、いろんな面でとても良い経験になりました。
そして、次の物件を選ぶときにこの経験がおおいに役立ちます。
条件を見直した2回目|優先順位を変えたことで出会えた縁
2軒目を探すときは、まず条件の優先順位・妥協点リストを作成しました。
それがこちらです。
◎ 優先順位高め
・駅から徒歩5分以内
・家賃上限7.5万
・駐輪場あり
・南向き
・風呂トイレ別(トイレが個室)
・室内洗濯機置き場
・2階以上
〇 優先順位低め
・台所が前より広い
・テーブルタイプコンロ可(2口以上)
△ 妥協点
・独立洗面台
・築年数にこだわらない
・BSアンテナ
・エレベーター
・敷地内ゴミ置き場
・オートロック
・宅配ボックス
・浴室乾燥機
今回は駅近を希望しているので、宅配ボックスの優先順位は下げました。駅近くのコンビニで受け取れるからです。
あわせて、激安スーパーへの距離も短くなるので条件から外しました。築年数にこだわると駅近が難しくなるので、こちらも順位を下げています。
浴室乾燥機は雨の多い日本では人気の設備です。しかし、思った以上に電気代がかかったので私は優先順位を下げました。
代わりに、壊れても一部だけ修理しにくいシステムキッチンではなく、ガスコンロを自分で設置できるテーブルタイプコンロを条件に加えています。
修理を怖がらず、気兼ねなく料理がしたかったためです。
そして今回の肝は、独立洗面台でした。
不動産仲介店へ物件情報を聞きにいったとき、何件か見てもなかなかしっくりきませんでした。
これは日を改めるかな…と思ったその時、担当さんが「独立洗面台は女性に人気だけど、条件から外すと紹介できる物件数がかなり増えますよ」と言ったのです。
私は身だしなみを整えるのにあまり時間をさかない性格なので(笑)大きな鏡台じゃなくて姿見で十分です。
今回は部屋面積の広さを優先しているので、姿見を置く場所も確保できるでしょう。
そこで、妥協点リストで一番上にあった独立洗面台を思い切って外しました。その上で改めて担当さんが出してくれた物件の中に、この部屋があったんです。
下見に行って、一発で気に入りました。
築25年でしたが壁クロスはきれいで、あまり築古の印象は感じませんでした。部屋面積も前よりぐっと広くなり、収納も問題なしです。
何より調理台のスペースが広いことが決定打でした。
たった1週間前に出た物件だったらしく、まだ他に誰も下見にきていなかったそうです。いろいろと縁を感じた私はここに住みたい旨を伝えました。
真下に大家さんが住んでいることもあり、なにかと頼りやすいのもプラスポイントでしたね。
こちらの部屋も、良かった点と気づいた点をまとめてみました。
住んでみて良かった点
・駅が近いので、駅前など気軽に買い物に行きやすい
・コンビニが近いので、通販の受取に便利
・角部屋は思った以上に解放感があって快適
・裏道沿いなので車やバイクが通らず、静かで洗濯物も干しやすい
・内装(壁クロス)が修繕したばかりで、築古が気にならなかった
・台所が広いので、料理がさらに楽しくなった
・南側が一軒家中心の住宅街なので、日当たりがよい
住んでから気づいた点
・真下が大家さんの家だったので、生活音にかなり気を付けた
・オートロックがないので、怪しい人はやっぱり出る
・近くに美味しいお店があるとつい買いに行ってしまう
・水回りの設備は年期を感じた(問題なく使える)
・脱衣スペースとダイニングが直結なので、のれん等で仕切ると落ち着く
・築古と角部屋が影響し、台風などの暴風雨で建物が揺れて少し怖かった
個人的な事情でもうこの部屋から離れていますが、「もっと住んでいたい」と思えるほど本当に気に入りました。
まさに「私の生活に合った」部屋でしたね。
まとめ|部屋探しのコツをつかんで理想の部屋を見つけよう
この記事でご紹介した方法は、あくまで部屋探しをスムーズにすすめるための1つでしかありません。
これ以外にも自分に合った優先順位や妥協点の決め方を見つけられたら、ぜひそれを大切にしてください。
自分の望む生活風景が明確になればなるほど、条件にマッチした部屋が見つかりやすくなるのは間違いありません。
この記事を読んだあなたが理想の生活を手に入れるための一助になればうれしいです。
どれだけ悩んで探しても、最終的に決めるのはたった一部屋です。ここで作ったリスト片手に、部屋探しを存分に楽しんでください。