一人暮らしの準備として、一番時間をかけたいのが部屋探しですよね。
収支のバランスから家賃だけは決めたものの、実際に探し始めると物件の多さに目が回ってしまうのではないでしょうか。
家賃をいくらにするか、まだ決めていない方はこちらに詳細をまとめたので参考にどうぞ。
間取り・階数・南向き…多種多様な部屋から、自分が住むたった一つの部屋を見つけたいのですから、悩んで当然です。
引越にはお金がかかりますから、後から「やっぱり気に入らない」と住居をぽんぽん変えられません。そう簡単には決められないですよね。
そこで、まず部屋探しで確認しておきたい12の基礎知識をまとめてみました。
賃貸情報サイトや実際に下見へ行ったときの参考にしてみてください。
物件のここに注目|膨大な情報から自分に合う物件を絞りこもう
物件を探す時、ほとんどの人は賃貸情報サイトを利用すると思います。私ももちろん利用しました。
膨大な物件数から、自分に合いそうな部屋を絞るために複数の条件を選択していきます。
でもどの条件を選べば求める物件に出会えるのか…そもそも条件について知らないと、物件のイメージがうまくつかめないですよね。
そこで、賃貸情報サイトにある代表的な検索項目について、知っておくと役に立つポイントをまとめました。
それぞれ一長一短ですので、自分のライフスタイルにあった部屋を選ぶための参考にしてください。
マンション、アパート、戸建て
マンションとアパートはどちらも集合住宅を指します。2つを明確に分ける定義は実はなく、賃貸情報サイトでは建築構造や階数の違いによって分かれていることが多いです。
マンション
重量鉄骨造・鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造がほぼ占めています。中~大規模の物件で戸数・階数が多く、オートロックなど設備も充実しやすいです。
その分、家賃や管理・共益費が高めに設定されています。
規模が大きければ大きいほど郊外の立地が多くなるので、駅徒歩を気にする人は中規模マンション(60~100戸未満)がおすすめです。
アパート
木造・軽量鉄骨造が多く、戸数・階数が少ないです。建築コストが安く済むので家賃は低めに設定されています。
エレベーターのない物件が多いので、上階に住む方は常に階段一択になる覚悟が必要です。
建物の規模が小さいため、駅近くの狭い立地に良物件が多いです。掘り出し物の部屋を見つける可能性が高いので、個人的におすすめです。
戸建て
戸建てを購入ではなく賃貸として出している物件です。入居層はほぼファミリーなので、一人暮らしで検討する機会は少ないでしょう。
建物として独立しているため、上下への振動を気にする必要がありません。庭付物件も多いので、ペットを飼っている人にはおすすめです。
戸建ては備え付けのセキュリティがなにもありません。防犯対策はしっかり行いましょう。
築年数
物件が完成してから経過した年数です。
新築(築1年未満、未使用)・築浅(築1~5年)
内装や設備が新しいので特に不安はないでしょう。
ただし、新しい部屋にできた汚れやキズはひときわ目立ちやすいものです。いざ退去立合い時に原状回復の指摘が出やすくなる可能性を考慮しておきましょう。
もちろんあなたが何年居住したかにもよるので一概には言えませんが、よりきれいに使う心掛けは必要です。
築古
旧耐震基準・新耐震基準のどちらで建てられた物件なのか、不動産仲介業者へ必ず確認しましょう。「1981年6月1日以降に建築確認を受けていますか?」と聞けばOKです。
もし建築確認を受けていなくても、耐震リフォームなど耐震性について対応済ならばそのように説明がされます。
建築構造
その建物の構造を指します。
木造
階数が3階までの、戸数の少ない物件が多いです(木は鉄骨や鉄筋より耐荷重が弱いため、物理的に4階以上の建築が難しい)
木造物件は建築コストが他の資材より安く済むため、家賃も安くなる傾向にあります。
通気性がよく、夏は涼しく、冬は暖かいです。床がきしみやすく、遮音性が低いので騒音問題が起こりやすいです。
また、建材が木なので火災の時はほかの構造より燃えやすいです。騒音や断熱対策をしている木造物件ももちろんあるので、不動産仲介業者へ確認してみるとよいでしょう。
鉄骨造
鉄骨造には重量鉄骨造と軽量鉄骨造の2種類があります。マンションだと前者、アパートや店舗だと後者が多いです。
軽量鉄骨造りは1~2階建てしかないので、3階以上を希望するなら重量鉄骨造で探しましょう。
私は一人暮らし2軒目で、重量鉄骨造のアパートに住んでいました。鉄筋コンクリート造よりも上階の足音は聞こえやすいですが、生活に支障がでるほどではないです。
ただ、強風時の建物の揺れや地震の揺れは鉄筋コンクリート造りより強く感じられました(築古だったのもあると思いますが)
鉄筋コンクリート造(RC造)
文字通り、鉄筋とコンクリートで柱や壁など構成しているため、強度や遮音性が高いです。また、気密性・断熱性が高いので外気を適度に遮断します。
初めて住んだ物件はRC造でしたが、夏は涼しく冬は暖かかったです。部屋から風通しのよい廊下に出ると気温差に驚くほどでした。
気密性の高さからかなり結露が出やすいので対策が必要になります。冬に加湿器全開で放っておくと窓の桟がかびるので注意しましょう(あらかじめタオルなどはさんでおくとよい)
RC造は建築コストが高いため、どうしても家賃が高くなる傾向にあるので、もし希望するなら駅から遠めの物件が狙い目です。
鉄筋鉄骨コンクリート造(SRC造)
鉄骨が加わった分、耐震性や遮音性がRC造よりさらに優れています。
主に購入用の大規模マンションや物件(商業施設など)に採用されるため、正直一人暮らし向けの賃貸ではほぼ見かけません。
ここに重点をおいて部屋探しするとかなり苦労するぐらいに賃貸物件数が少ないです。気を付けましょう。
間取り
住居の配置を表す言葉です。
ワンルーム
ドアなど仕切りのないひとつながりの1室で構成されます。
賃貸情報をみるとよく居室部分に〇畳と書かれていますが、これは玄関・キッチン・居室全ての畳数なので要注意です。
玄関・キッチン・リビングの境がないので、気になる人は簡単な間仕切りを用意するといいでしょう。玄関から居室まで寝る前に玄関前へ置けば、防犯対策にもなります。
部屋の形によってはベッドや棚が置きにくくなるのでよく確認しましょう。
1K
4.5畳未満のキッチンとドアで仕切られた居室で構成されます。
このタイプの部屋が最も多く、賃貸情報サイトでもワンルームの約3倍、1LDKの約2倍は出てきます。
基本的にキッチンが狭く、シンク横に調理スペースがないことも多いのでどこかにスペースを用意するとよいでしょう。キッチンワゴンを置いたり、シンクに水切りラックを渡すのがおすすめです。
エアコンは基本居室にあるため、調理中はドアを開け放しておかないと暑かったり寒かったりします。扇風機やサーキュレーターで空気を循環させるといいでしょう。
1DK
4.5畳以上のDK(ダイニングキッチン)と1つの居室で構成されます。
台所の面積が1Kと比べてキッチンが広く、冷蔵庫をおいても収納棚を置く余裕があります。シンクとコンロの間に調理スペースがあるので、料理を頻繁にする人におすすめです。
1DKは部屋の形やつながり方に注意が必要です。私の住んだ1DKはダイニングと洗濯機置き場(兼脱衣所)の間にドアなどの仕切りがなかったので、のれんをつけて目隠ししました。
また、ダイニングの広さによっては置きたいテーブルや椅子が置けない可能性もあります。下見の時に確認しておくといいですね。
1LDK
8畳以上のリビングダイニングキッチンと1つの居室で構成されます。
一人で住むには正直広すぎます。広ければ掃除も大変ですし、光熱費もその分かかります。
書庫や倉庫がほしい人、大型犬がいるので広いスペースが必要な人、とにかく広い部屋に住みたい人は検討してもいいかもしれません。
居室だけ和室になっている物件もよく見かけます。畳は汚したり、重い家具でへこませてしまうと借主負担で原状回復しなければいけないので要注意です。
駅徒歩
駅から物件まで徒歩で移動した時にかかる時間です。
1~5分
駅が近いので、総通勤時間の短縮をはかれます。駅が近いと飲食店が多く、駅ビルも気軽に利用しやすいです。
駅の近さから気がゆるみ、家を出発する時間が日に日に遅くなりがちなので定期的に気をひきしめるとよいでしょう。
6~12分
歩いて通勤するのにまだ苦にならない距離感です。スーパーやドラッグストアが道すがら多くなってくるので、寄りやすくて便利です。
寝坊した時は全力で走ればわりとなんとかなります(笑)
13~20分以上
バスや自転車を利用して駅へ向かう人が多くなります。周辺は閑静な住宅街であることが多く、外で騒ぐ人の声に悩まされることもないでしょう。
寝坊するとわりと取り返しがつきません。早寝早起きを心がけましょう。
階数
入居する部屋の階の数です。
1階
階段不要なので出入りが楽です。また、下階への振動を気にする必要がないので、ペットと一緒に入居したい人におすすめです。
一方で1階は地続きのため、相手にその気がなくとも結構外から部屋の中が見えます。物件を下見する時に垣根や壁がどれくらいの高さか確認しておくとよいでしょう。
また、地面が近いので虫が窓の桟から入ってきやすいです。防虫対策必須です。これらの面から人気は低く、家賃が低めになる傾向があります。
女性が住む場合は、必ず防犯対策をとりましょう。
2~最上階の1つ下の階
最も対象が多い階数です。
2階以上なら歩道から見えることはありませんが、高くなるほど遠くの建物からは見えやすいです。レースカーテンは必ずつけるのをおすすめします。
隣室や下の部屋への振動・音に配慮が必要です。自分の足音が気になる人は厚めのラグなどであらかじめ対策しておくと、気にせず生活しやすいです。
引越時に大型家具が玄関から入れられない場合、2階以上の部屋はベランダの窓から吊るして搬入します。大きなベッドや本棚を新居へ持っていきたい人は玄関やベランダをよく確認しておきましょう。
最上階
眺めがよく、日当たりがいいです。上階からの騒音リスクもないため、人気が高く、他階と比べて家賃が高めです。
天井の上になにもないので、夏は直射日光で特に暑くなります。他階の部屋より冷房も効きにくいです。
屋根や窓ガラスに断熱や遮熱処理を施している物件もあるので、不動産仲介業者へ聞いてみるとよいでしょう。
階数の多い物件はエレベーターがついていますが、6階以上の場合は1階と往復するだけでも2~3分かかります。
数分ですが、急いでいるのに忘れ物をするとなかなかのタイムロスになりかねません。時間に余裕をもって行動するのがよいでしょう。
また、災害時や設備点検時に階段で昇り降りしなければならない状況を常に想定しておくことが大切です。
南向き
南向きの部屋は、南側に最も採光できる窓やベランダがあり、基本日当たりがいいです。
日当たりがいいと部屋もカビにくく、洗濯物もよく乾きます。また、日中は照明がいらないくらい明るくなるので、電気代が節約できます。
これらの理由から、人気が高く、家賃も高くなる傾向にあります。
しかし、日当たりがよいということは家具やフローリングが日焼けします。思っている以上に日焼けします。
数年も経つと、本棚の右側と左側で色が変わりますし、ラグをめくるとフローリングの色が全然違います。
日焼けによるフローリングの変色は自然損耗なので、原状回復時は貸主負担になります。(入居側の過失による変色は借主負担)
念のため遮熱・遮光効果の高いカーテンを選んでおくとよいでしょう。
日当たり
部屋の日当たりではなく、物件自体の日当たりです。
真隣に工場や背の高いマンションが鎮座していたり、せっかく大きな窓があっても目の前が隣のアパートの窓で常にカーテンを閉めないといけない…など。
こればかりは直接見に行かないとわかりません。
天気のいい日に下見へ行き、近くに新規の建設予定地などないかもあわせて聞いておきましょう。
角部屋
東西南北のうち、2方向の壁に接する部屋がありません。2方面の窓で採光するので日当たりがよく、換気もしやすいです。
隣室への生活音を気にしないですむのは想像以上に楽です。2方向に外がみえるのもあいまってすごく開放感があります。
両方とも窓が大きいことが多いため、覗き防止のカーテンはちゃんと用意しておきましょう。
部屋候補の中に角部屋があるなら、上位にしておいて間違いないくらいおすすめですよ。
駐車場、駐輪場
車を持っている人は駐車場必須なので、検索条件に必ずチェックを入れておきましょう。
駐車場の設置には建物の規模にあまり関係ないですが、月々の料金はさまざまです。
駐車スペースの大きさやいれやすさもあるので、不動産仲介業者へ連絡する時に車種を先に伝えておくと二度手間を防げます。
駐輪場は、駐輪場スペースを用意している物件もあれば、敷地内の空きスペースに「ここに置いていいよ」と言われるパターンもあります。
どちらにしても勝手に置くわけにはいかないので、下見の前に確認できるといいですね。
ロードバイクなど軽くて高価な自転車はできる限り室内で管理しましょう。
自転車泥棒は少なからずどこの地域にもいます。ママチャリだとしても、外の駐輪場を利用するなら頑丈なカギを2つ以上つけるようにしましょう。
BSアンテナ・CSアンテナ
BS・CS放送を見たい人は、対応するアンテナが最初から設置されている物件を選ぶと便利です。
後からアンテナを設置したい場合、大家さんや管理会社に許可をとる必要があります。工事費や設置方法など色々相談が必要になり、時間も手間もかかってしまいます。
アンテナが最初からあっても、室内のアンテナ端子が1つの部屋もあります。下見の時に確認しておくといいでしょう。
宅配ボックス
あると本当に便利です(管理人談)昔は中~大規模の物件中心でしたが、今は小規模な物件でも設置されることが多くなりました。
通販をよく利用するけど、外にいる時間が長くてなかなか受け取れない…なんてことがなくなります。置き配してもらったはずなのに見つからないなんて事故も防げます。
また、荷物が届くまでの待ち時間から解放されるのは結構重要です。
宅配ボックス有りの物件は、メンテナンスなど必要なので管理費が少し高めになります。家賃の予算上限をオーバーしないなら、検討の価値ありです。
番外編|こんな物件もあります
通常の賃貸物件のほかに、特定の需要に対応するための入居条件を設けている物件があります。
自分の部屋探しには直接関係ないかもしれませんが、一通り知っておくとよいでしょう。
定期借家
契約期間が終了すると、入居者の希望に関係なく更新されない物件です。
通常の賃貸契約は普通借家契約といいます。貸主側に正当な自由がない限り、入居者が更新を希望すれば契約を更新できます。
しかし、定期借家は契約期間が満了するとその契約はそこで終了し、更新はできません。
もしまだ住み続けたい場合は再契約を貸主へ相談し、NGであれば退去になります。借主より貸主側が強い物件ですね。
長期出張や転勤など期間限定で部屋を探している人に需要があります。また、最近増えているシェアハウスも定期借家契約を採用しています。
シェアハウス
キッチン・トイレ・浴室など居室以外のスペースを他部屋の住居人と共同利用するタイプの物件です。
入居時の初期費用・生活費が抑えられるほか、共有部で他部屋の住人と交流できるので人脈の幅が広がります。
女性専用だったり、シアタールームがついている豪華な物件もあるので一度見てみてもいいですね。
裏を返せば、共有部からいやでも常に他人の気配を感じることになります。それがストレスになる人は素直にやめておきましょう。一人の時間を大切にしたい人には向きません。
ペット可物件
ペットと一緒に入居できる物件です。
大型犬は1匹まで、猫なら2匹まで、小鳥やハムスターならOKなど、物件によって条件はさまざまです。
臭いが壁にしみこんだり、爪をといで傷つけるなど予想されるため、契約時に償却金が必要か確認しましょう。
将来的にペットを飼いたい人は今から検討しておくのがおすすめです。
「どうせばれないだろう」とペット不可物件でペットをこっそり飼うのは絶対にやめましょう。
他部屋や近隣から苦情が出れば一発アウトです。もし仮に退去日までばれなかったとしても、退去立合いの時に絶対にばれます。相手はプロです。
規約違反になりますので、高額な修繕費を請求されても文句はいえません。
また、ペット不可物件だからと入居する動物アレルギーの人もいます。
万が一アレルギー持ちの人に健康被害を与えた場合、強制退去や訴訟問題に発展するおそれがあります。契約時のルールは必ず守りましょう。
楽器相談可
部屋で楽器をひくことが許可された物件です。音大生や日常で楽器をひく層に需要があります。
「楽器可」といってもひとえにすべての楽器がOKなわけではありません。
音の大きなトランペットやドラムは防音室を完備した物件であればOKでも、遮音や騒音対策を特にしていない物件ではNGでしょう。
また、グランドピアノはサイズや音が大きいだけではなく非常に重いため、床下補強された物件じゃないと断られる可能性が高いです。
楽器可物件を探す人は気にしないと思いますが、楽器をひくのは自分だけではありません。隣室から違う人の演奏が常に聞こえてくる環境が無理な人はやめておくのが無難です。
分譲賃貸
もとは購入されたマンションが事情により賃貸で出されていたり、不動産投資物件として貸し出されているなど、賃貸だけど個人の所有者がいる物件です。
賃貸ではなく個人用の購入を想定した造りのため、通常の賃貸物件より設備のグレードが高いです。
私が初めて一人暮らしをしたのは分譲賃貸物件でした。特に希望したわけではなくたまたまです。
防音性がかなり高く、隣室の人の気配をほとんど感じませんでした。
管理人さんがいたので共有部も普段から清掃されていて、24時間ゴミが出せる場所が敷地内にあったのが非常に便利でしたね。
分譲賃貸は数がそう多くはないので、この条件の優先順位をあげてしまうと探すのが大変になってしまいます。探している地域にもしあったら検討する、くらいでちょうどいいでしょう。
まとめ|自分のライフスタイルにあう物件を見つけよう
普段はなにげなく通り過ぎる景色が、部屋探しを始めると「あの部屋はこんな間取りかな」「あのマンションはセキュリティがしっかりしてそう」など色々気になるようになります。
物件は本当に多種多様で、調べたり見て回るうちに優先したい条件が変わることもあるでしょう。
自分が住みたい部屋のイメージを少しずつ固める時や部屋探しを始めた時に、この記事の情報が役に立ったらなによりです。